この記事では、「朝三暮四」と「朝令暮改」の違いを分かりやすく説明していきます。
2つの言葉には、どのような意味と違いがあるでしょうか。
「朝三暮四」とは?
「朝三暮四」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「朝三暮四」は「ちょうさんぼし」と読みます。
「朝三暮四」は、「目先の違いにとらわれて、結局は同じ結果になることを理解しないこと」という意味があります。
また、「言葉巧みに人をだますこと」という意味があります。
「朝三暮四」は、中国の宋の時代の狙公(そこう)が猿を飼っていたことにちなみます。
猿にとちの実を、「朝に3つ晩に4つあげる」と言った時、猿は怒りました。
しかし、次に「朝に4つ、晩に3つあげる」と言ったら、喜んだと言います。
前者の場合、今すぐには3つしかもらえないのに対して、後者の場合は、今すぐに4つもらえます。
トータルでは7個と変わらないのに、目先の違いにとらわれている猿の様子が、この言葉の由来となっています。
また、トータルでは7個しかあげないのに、言い方を変えて猿をだましている様子から、「言葉巧みに人をだますこと」という意味が生まれています。
「朝令暮改」とは?
「朝令暮改」という言葉には、どのような意味があるでしょうか。
「朝令暮改」は「ちょうれいぼかい」と読みます。
「朝令暮改」は、「命令や政令などが頻繁に変更されて、一定しないこと」という意味があります。
また、朝出した命令が、夕方には改められているという意味があります。
朝出された命令が、夕方には改められるとなると、命令を信じていいか不審に思います。
例えば会社で、上司が朝礼で言ったことを、帰り際に訂正したとしたら、その日の仕事が無駄になってしまうかもしれません。
このような場合、「上司は朝令暮改で、聞いても意味がない」とか、「方針が朝令暮改では、部下はたまったものではない」などという文章を作ることができます。
「朝三暮四」と「朝令暮改」の違い
「朝三暮四」と「朝令暮改」の違いを、分かりやすく解説します。
「朝三暮四」は、「目先の違いにとらわれて、結局は同じ結果になることを理解しないこと」という意味があります。
一方の「朝令暮改」は、「命令や政令などが頻繁に変更されて、一定しないこと」という意味があります。
似た文字が多く使われている四文字熟語なので、似た意味を持つような気がしますが、まるで違う意味を持つことが分かりました。
目先の違いにとらわれすぎることを茶化した言葉が「朝三暮四」で、言ったことがコロコロと変わることを茶化した言葉が「朝令暮改」と覚えておきましょう。
まとめ
「朝三暮四」と「朝令暮改」の違いについて見てきました。
2つの四文字熟語には、大きな意味の違いがありました。
目先にとらわれすぎる人を見たとき、「朝三暮四」という言葉を使い、上司の命令がコロコロと変わるようなときは、「朝令暮改」という言葉を使いましょう。