同じ読み方をしていても、異なる意味をもつ言葉もあります。
この記事では、「等しい」と「均しい」の違いを分かりやすく説明していきます。
その差を知って、学びを深めていきましょう。
「等しい」とは?
等しい(ひとしい)とは、同じこと。
2つ以上の物が、同じ大きさや量をしていることです。
不公平ではないものを「等しい」といっています。
等しいを使った熟語に「等分」や「平等」があります。
「等分(とうぶん)」とは、等しく分けること。
また「平等(びょうどう)」とは差別がないことです。
それぞれを比べてみても、偏りがないもの。
上から見ても、下から見ても、同じように思える物を「等しい」とあらわしています。
また「等しい」には「~と同じくらい」という訳もあります。
例えば「可能性はゼロに等しい」というと、可能性はゼロと同じ、つまり全くないこと。
「元データに等しい」というと、元のデータと同じという意味になります。
比較するものと同じもの、同じように捉えられるものが「等しい」です。
「均しい」とは?
均しい(ひとしい)とは「そろって・一様に」ということ。
同じような状況であること、差がないことを示します。
「均しい」の「均」という漢字には、デコボコの地面を平らにならす、等しくするという意味があります。
不揃いだったものを、平等にするというニュアンスが「均」という漢字に込められているのです。
「均しい」を用いた熟語には「均一」や「均等」などがあります。
「均一(きんいつ)」とは、すべて同じこと。
そして「均等(きんとう)」とは、どれも平等で同じことです。
状況が同じようで、区別がつかないものを「均しい」とあらわしています。
こちらも2つ以上の物を比較したとき、用いられる言葉です。
「等しい」と「均しい」の違い
どちらも「ひとしい」と読めるので、間違えやすいです。
「等しい」と「均しい」の違いを、分かりやすく解説します。
・日常的に用いるのは「等しい」「ひとしい」とあらわす漢字には「等しい」と「均しい」そして「斉しい」があります。
このうち常用漢字に指定されているのは「等しい」のみ。
「均しい」と「斉しい」は指定されていないので、積極的に用いられることはありません。
そのため普段使いには「均しい」ではなく「等しい」がおすすめです。
また「等しい」には、重さや割合が同じという訳があります。
一方で「均しい」には「権利がひとしい」いう訳があります。
そのため「男女雇用機会均等法」のように、法律の上で同じであることを「均しい」と言います。
違いをおさえて、日常生活に役立てていきましょう。
まとめ
「等しい」と「均しい」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも「ひとしい」と読みます。
等しいとは、量や質が同じこと。
均しいは、偏りがないことです。
言葉それぞれの違いや背景を知ると、文章を読み解くことが楽しくなります。
学びを深めていきましょう。