「要因」と「要素」は異なった意味を持つ言葉です。
この記事では、「要因」と「要素」の違いを分かりやすく説明していきます。
「要因」とは?
「要因」の意味は、ものごとが、そうなった主な原因です。
「要因」の「要」には、かなめ、大切なところ、といった意味があり、「要点」や「重要」といった言葉に「要」が用いられています。
また、「因」には、もと、事の起こり、由来、といった意味があり、「原因」や「因子」といった言葉に「因」が用いられています。
このような意味を持つ二つの漢字が組み合わさり「要因」という言葉が完成し、何かが起きた際のその主な原因を意味するものとなります。
言い換えれば、「事の始まり」や「きっかけ」、「理由」、「ファクター」、「エレメント」などと同じです。
「要因」の使い方
「要因」は、「○○の要因」といった形で用いられることが多く、「成功の要因」や「失敗の要因」、「強さの要因」といった言葉がよく用いられます。
また、それらの「要因を探る」といった形でも用いられることが多い言葉です。
「要素」とは?
「要素」の意味は、ものごとを成り立たせる基本的な内容や条件です。
また、何かを分析した際、その中に見出されるそれ以上簡単にならない成分といった意味もあります。
「要素」の「要」には、かなめ、大切なところ、といった意味があり、「要点」や「重要」といった言葉に「要」が用いられています。
また、「素」には、ありのまま、もって生まれたまま、もと、はじめ、もとになるもの、といった意味があり、「素顔」や「素質」、「元素」といった言葉に「素」が用いられています。
このような意味を持つ二つの漢字が組み合わさり「要素」という言葉が完成し、ものごとを成り立たせる基本的な内容や条件。
そして、効力を発揮させるために欠かすことができない成分や条件といった意味となります。
言い換えれば、「因子」や「元素」、「中身」、「コンテンツ」などと同じです。
「要素」の使い方
「要素」は、「ある、ない」といった使い方をはじめ、「必要な要素」や「不安要素」、「不確定要素」などといった言葉があります。
「要因」と「要素」の違い
「要因」は「原因」。
「要素」は、「構成物」や「因子」などと言い換えることができます。
「要因」とは、ものごとが、そうなった主な原因を意味し、「要素」とは、ものごとを成り立たせる基本的な内容や条件を意味する、全く異なった意味を持つ言葉となります。
「要因」の例文
・『彼の成功の要因を探る、記事にしたいと思う』
・『あの選手の強さの要因は、練習量の多さと体調管理にあると思われます』
・『今回、試合に負けた要因は体調不良です』
・『弊社が大成長を遂げた要因は、すべて、社員の努力によるものです』
「要素」の例文
・『受験当日までに不安要素をすべて取り除く』
・『その物質は、非常に危険な要素を含んでいます』
・『息子が学校に行く不安要素にいじめと言い出しました』
・『私は、たんぱく質の構成要素について研究しています』
まとめ
以上のような違いに注意し、この二つの言葉を使い分ける必要があります。