「さっと」と「すっと」の違いとは?分かりやすく解釈

「さっと」と「すっと」の違い言葉・カタカナ語・言語

スマートな動作を表すときに使われる表現として「さっと」「すっと」があります。

このふたつの言葉にはどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「さっと」「すっと」の違いについて解説します。

「さっと」とは?

「さっと」とは?

「さっと」とは、「動作にためらいがなくすばやく行われるさま」を意味する言葉です。

「さっと」は主に「動作のスピードが速いこと」を指して使われる言葉です。

のろのろしたりもたついたりすることなく「動作の始まりから終わりまでが一瞬のうちに完結する様子」を指す表現です。

極めて短い動作に対して使われる言葉なのである程度時間がかかる長い動作に対して使われることはありません。

おおよその基準としてはまばたきする程度の短時間のうちに動作が完結するくらいの短い動作に対して用いられます。

似たような意味を持つ言葉として「瞬く間に」という表現がありますが、こちらはそのものずばり「まばたきする間に」という非常に短い時間を意味して意味しています。

漢字では「颯と」表します。

「颯」の意味は「風が吹くさま」であり、なにもないところに風が突然吹く様子から転じて「前ぶれがなく瞬時に行われること」という意味で使われるようになったとされています。

「さっと」の使い方

・『新製品のスーパークロスならさっとひとふきするだけできれいに汚れが落ちます』
・『転びかけたがさっと手を差し伸べられたので大事には至らなかった』
・『地震速報が聞こえた瞬間、さっと机の下に身を隠した』
・『ニュースを耳にした途端、さっと顔色が変わった』

「すっと」とは?

「すっと」とは?

「すっと」とは、「音もなく静かに行われるさま」を意味する言葉です。

「すっと」には「周りに気付かれることなくいつの間にか行われている様子」といったような「気配を感じさせずに動作を行うこと」という意味があります。

人間はからだを動かすときに身をよじったり力をためたり音を立てたりなど周囲の人が気づく要素が伴うものですが、そのような動作に関連する要素がほとんどなく「多くの人が行われていること気づかないうちに動作が完了している様子」を指して「すっと」と表現します。

「すっと」動作が行われた場合、ほとんどの人は動作が完了してからそのことに気づきます。

やろうとしている段階では誰にも気付かれず動作が完了して初めてそのようなことが行われていたことがわかるようなとてもスムーズな動作が「すっと」です。

「すっと」の使い方

・『無言のまま名刺がすっと差し出された』
・『何も意識することなくすっと手を差し出す』
・『ゆっくりと扉に近づくとすっと身を隠した』
・『立ち昇っていた煙がすっと消える』

「さっと」と「すっと」の違い

「さっと」と「すっと」の違い

「さっと」「すっと」の違いは「動作のどこを強調しているのか」です。

どちらもためらいがなくスマートに動作が行われる様子を指す言葉ですが、強調している点にはっきりとした違いが見られます。

「さっと」は動作のすばやさを強調しています。

一瞬のうちに行われる動作のスピードに注目した表現です。

「すっと」は動作の静かさを強調しています。

音尾なく静かに行われる静粛性や無駄の無さに注目した表現です。

まとめ

まとめ

「さっと」「すっと」はどちらも同じような動作に対して使われる言葉ですが強調しているポイントが異なります。

動作の様子をイメージしながらどちらの言葉がふさわしいのかを考えて使い分けてください。