「氷床」と「氷河」の違いとは?分かりやすく解釈

「氷床」と「氷河」の違い言葉・カタカナ語・言語

科学誌「Nature」に掲載されて研究によれば、このままだと2050年までには山岳地方の氷河は全て溶けて無くなってしまうと言います。

氷河というのは昔の煙草のCMでも有名にあった、極寒の地域に存在する大きな氷ですが、これが一体何かを明確に説明できる人は少ないでしょう。

この記事では、「氷床」「氷河」の違いを分かりやすく説明していきます。

「氷床」とは?

「氷床」とは?

「氷床」とは、文字通り「氷の床」です。

実体としては長年にわたって降り積もった雪がその重みで押し固められて氷になったものです。

その氷の塊はさまざまな地方に存在しますが、「氷床」と呼ぶのは、南極とグリーンランドにあるものだけです。

特に、南極大陸のものは最も広く、1400万平方キロメートルにわたっています。

また、グリーンランドは地表の80%以上が氷床で覆われていて、海に面する部分では断面を見ることができます。

かつては、この2つ以外に北欧、アメリカ大陸にも存在していました。

英語では「ice sheet」と呼びます。

「氷河」とは?

「氷河」とは?

「氷河」とは、文字通り「氷の河」です。

前述のように降り積もった雪が固まってできたものです。

通常は山岳地帯に存在し、下部はある程度温度が高いので、下から溶けながら移動しています。

この様子が河のように見えるのでこの名前がついたのであって、水が流れていた河が凍ったものとは全く違います。

「氷河」は世界中で見ることができますが、日本ではその多くは富山県の飛騨山脈(北アルプス)の高い山岳にあります。

英語では「glacier」と言います。

「氷床」と「氷河」の違い

「氷床」と「氷河」の違い

「氷床」「氷河」の違いを、分かりやすく解説します。

これらは極地に近い地方において、降り積もった雪が固まってできたものであるという部分では同じですが、違いは場所にあります。

一般的な「氷河」はある程度の高地の山岳地帯うにあるものですが、「氷床」は平野部にあります。

そのために「氷床」の方が平坦で大きな塊になっています。

これは言葉の定義上の違いとも言えるので、「大きな平地に出来る氷河を氷床と呼ぶ」ということになります。

「氷床」の例文

「氷床」の例文

「氷床」の例文は以下のようになります。

・『南極の氷床は地球上に存在する淡水の90%を氷の形で固定しています』
・『大陸に存在する大きな氷河のことを氷床と呼びます』

「氷河」の例文

「氷河」の例文

「氷河」の例文は以下のようになります。

・『氷河は山岳氷河と大陸氷河に分けることができます』
・『現在見ることができる氷河は何千年の歳月をかけて形作られました』

まとめ

まとめ

この記事では、「氷床」「氷河」の違いを、解説してきました。

序文で述べたように、地球温暖化は氷河の存続にも影響を与えています。

実際にそのようなことになったら、現在氷河が果たしている水源としての役割も果たせなくなってしまいます。

そうならないためにも、これから我々ができることを継続して行くことが重要なのです。