「未詳」と「不詳」には、違いがあるか。
あるとしたら、どのような違いがあるのか。
この記事では、「未詳」と「不詳」の違いを分かりやすく説明していきます。
「未詳」とは?
詳しいという漢字に「いまだ」といった意味を持つ「未」が加わり「未詳」という言葉ができています。
その漢字の意味通り、「未詳」には、いまだにはっきりしないこと、まだ、つまびらかでないこと、といった意味があります。
世間の人に詳しく知られていない状況を意味し、その状況は今のところだということが強調された言葉となります。
今のところ、世間に知られていないものの、今後、どうなるかはわからないといった意味が「未詳」には含まれています。
「未詳」の使い方
「未詳」は、何が「未詳」なのかといった使い方が基本です。
「作者未詳」や「生没年未詳」、「創建は未詳」などとなります。
「不詳」とは?
詳しいという漢字に「でない、しない」といった打消しの「不」が加わり「不詳」という言葉ができています。
その漢字の意味通り、「不詳」には、詳しくわからないこと、はっきりしないこと、といった意味があります。
今の時点では詳しくわからない、明確ではない状況を意味している言葉で、あくまでも、現時点では詳しくわからないことを意味する言葉となります。
「不詳」の使い方
「不詳」は、何が「不詳」なのかといった使い方が基本です。
「年齢不詳」や「作者不詳」、「生没年不詳」などとなります。
「未詳」と「不詳」の違い
同じ詳しくといった漢字が用いられる「未詳」と「不詳」ですが、どのように詳しくないのかといった違いがこの言葉にはあります。
「未詳」は、世間一般に詳しく知られていないことを意味し、「不詳」は、詳しくわからないこと意味します。
そのうえで、「未詳」には、今後、詳しい内容が世間一般に広がる可能性を含んでいるのに対し、「不詳」には、そのような可能性は含まれていません。
その違いも「未詳」と「不詳」の大きな違いです。
「未詳」の例文
・『作者未詳の作品に興味がある私です』
・『犯人のその後の足取りについては未詳です』
・『成立年代が未詳の物語について、詳しく調べたいと思っています』
・『有名人が殺害された事件において、今だ、未詳の状態ですが、今後、もしかしたら多くの人に知らされることがあるかもしれない』
「不詳」の例文
・『年齢不詳の女優が持つ魅力に注目が集まっています。』
・『着ている服は若いものの肌を見ると年配のように見える彼女は、年齢不詳です』
・『いくら安くても、メーカー不詳の商品を購入する勇気はありません』
・『行方不明だった父が、不詳の死で見つかりました』
まとめ
作家未詳、作家不詳といったように用いられることも多い「未詳」と「不詳」には以上のような違いがあります。
同じように今も時点では詳しいことはわからないことを意味しますが、今後の可能性において両者には違いがあるといった点に注意が必要です。