この記事では、「未然形」と「已然形」の違いを分かりやすく説明していきます。
古典を楽しく学んでいきましょう。
「未然形」とは?
古文における未然形とは、まだ起こっていないこと。
「ず」や「む」などの言葉で、終わる形が一般的となっています。
例えば「ず」という打ち消しの言葉を用いるとき。
未然形は「ず」もしくは「ざら」の形でつかいます。
「いと、おかしからず」という文があったら「ず」が入っているので「趣深いということはない」つまり、味気ないという意味になります。
また「む」という助動詞を用いるとき。
こちらも未然形とセットになる言葉です。
「む」には意志、勧誘、適当、婉曲、推量などの色々な意味があります。
例えば「ありなむ」と言った場合「きっとあるだろう」という推量の意味になります。
未然形は前後の文の内容によって、訳し方が変わってくるので注意が必要です。
「已然形」とは?
已然形とは、古文の活用形のひとつ。
すでに起こった事柄に対して、用いるスタイルです。
「ども」や「ば」そして「ど」などの言葉と一緒につかいます。
已然形がよく登場するのは「係り結び」が使われるときです。
係り結びというのは、ある言葉が出てきたら、必ず最後はお決まりの言葉で、文を結んであげる表現方法のこと。
「こそ」が出てきたら、最後の文末はかならず已然形で終わります。
例えば「名を金太郎とこそ言いけれ」という文があったとします。
文中に「こそ」があるので最後は「けれ」という已然形で止めます。
ちなみに「ぞ、なむ、や、か」などは連体形で終わるので、区別しておくと間違えにくいです。
已然形は「もはや~だった」というニュアンスを含む言葉です。
「已(い)」という漢字が、過去や終了をあらわす言葉なので、イメージ付けておくと、楽しく古文を読み進めていけます。
「未然形」と「已然形」の違い
どちらも迷いやすいキーワードです。
「未然形」と「已然形」の違いを、分かりやすく解説します。
・未来のことは「未然形」過去のことは「已然形」
両方の言葉には「然り」が含まれています。
見分けを付けるのが難しく感じられますが、未然形はまだ起こっていないこと。
きたる未来に起こるかもしれないことをあらわしたものです。
一方で已然形は、すでに起こってしまったこと、過去に起きた事実について述べた言葉になります。
そのため未然形は過去、已然形は未来をあらわすスタイルだと、暗記しておくと分かりやすいです。
また未然形も已然形も「ば」が語尾につくことが多く間違えやすいものです。
全体の文章を読んでみて、起こったことか起こっていないことか振り分けていくと、区別を付けやすくなります。
まとめ
「未然形」と「已然形」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも古文の活用形のひとつです。
未然形は「いまだ、しからず」つまりまだ起こっていない未来のこと。
已然形はもうすでに起きてしまった過去の事実をあらわしています。
違いを知って、古典に強くなっていきましょう。