この記事では、アルミニウム合金の一種である「ジュラルミン」と炭素や炭素繊維を指す「カーボン」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ジュラルミン」とは?
アルミニウムに銅を約3. 5~4. 5パーセント、マグネシウム・マンガンを各約0. 5パーセントなどを加えた軽合金で、環境によっては強度面で鉄鋼材料に匹敵する点がメリットです。
JIS規格ではでは合金番号A2017をジュラルミン、マグネシウムの配合を増やしたA2024超ジュラルミン、A7075を超々ジュラルミンと表記しており、超々ジュラルミンはアルミニウム合金では最も強度があるものとなっています。
用途はトランクや航空機、鉄道車両、自動車などが挙げられます。
耐食性は強くないため、鉄道では外板そのものがジュラルミンというケースは少なくなっており、1946年に作られた63系電車が航空材料で余剰していたジュラルミン製だったものの車体の劣化が激しかったようです。
ただし、飛行機では超ジュラルミンなどが使われているケースが一般的です。
「カーボン」とは?
炭素のことを指し、筆記の複写に用いるカーボン紙もカーボンと呼ばれますがこちらはそれほど炭素とは関係ありません。
素材としてのカーボンはアクリル繊維またはピッチを原料に高温で炭化して作った繊維で、非常に軽量で硬い素材で、金属ではないという点が特徴になっています。
カーボンで作られた飛行機は軽量で低燃費化出来るというメリット以外に、客室を加湿でき、ジュラルミン製飛行機が10%程度の湿度に対して20%程度の湿度をキープできます。
素材の用途としては自動車、飛行機、自転車、ノートパソコンなどがあり、加工の難しさや破断した場合の修復が難しいということもあり、高級商品中心に使われており、自動車は軽量化を目的として屋根やボンネットに使用されています。
車体すべてがカーボンという量産車は登場していません。
フライパンにもカーボンという表記が見られますがカーボンスチールという合金となっており、低価格である程度の軽さがメリットとなっています。
「ジュラルミン」と「カーボン」の違い
「ジュラルミン」と「カーボン」の違いを、分かりやすく解説します。
ジュラルミンは軽量で強度のあるアルミニウム合金、カーボンは軽量で強度のある炭素繊維素材で金属ではないところが大きな違いです。
ジュラルミンの方が古くから使われている素材といえ、飛行機などは徐々により高性能な素材であるカーボンを使いつつあるところです。
カーボンのほうが基本的に高価で加工も難しく、幅広い用途には使われていません。
まとめ
「ジュラルミン」と「カーボン」は軽量で強度のある素材という点で共通していますが、カーボンはさらに軽量で強度があり、今後より使用が拡大されることが見込まれています。
ジュラルミンは戦中から使われている素材なので現時点ではカーボン以上に用途が広くなっています。