この記事では、火災現場を中心に発生する言葉である「焼死」と「一酸化炭素中毒死」の違いを分かりやすく説明していきます。
「焼死」とは?
火事または事故によって焼け死ぬことを指す言葉で、火災などの現場で死んでしまうケースだけでなく、病院でなくなる場合も焼死と判断されます。
体が焼けて死んでしまう状況だけでなく 、火災による窒息死にあとに死体が焼けてしまった場合なども焼死として判断されることがあります。
焼死が発生した場合、火事の現場は「刑事事件の現場」となり、警察官による調査・原因究明の対象となります。
飛行機の墜落事故は墜落時に飛行機自体が炎上してしまうケースが非常に多いため、実際には衝突死であった場合でも焼死者になるというケースがあります。
「一酸化炭素中毒死」とは?
火災、自動車事故、ストーブによる事故、ガソリンエンジンによる事故での死因としてあげられるもので、軽度の頭痛や吐き気から一気に動けないほどの昏倒に至ってしまうため、一酸化炭素中毒を自覚するのは不可能で、危険を察知することなく死に至ってしまう恐ろしさがあります。
ストーブの使用時に換気が求められているのはこの理由からでもあります。
死体にはやけどや損壊等が見られない状態でも一酸化炭素中毒死の特徴です。
なお、住宅での火災の死因の4割が一酸化炭素中毒によるものとなっています。
住宅内への一酸化炭素警報機(CO警報機)の設置によってある程度退避を早めることは可能です。
除雪のため移動したガソリン車内で一酸化炭素中毒になるという事故も発生しており、こちらは車内の排気ガスが流れ込んだことが原因とされています。
除雪時に動けなくなってしまうような豪雪の場合、自動車内での退避自体が危険と言う指摘があります。
電気自動車であれば助かった可能性も考えられなくは無いですが、こちらは暖房が長く持たないという点で非常に危険です。
「焼死」と「一酸化炭素中毒死」の違い
「焼死」と「一酸化炭素中毒死」の違いを、分かりやすく解説します。
「焼死」と「一酸化炭素中毒死」は火災によって発生するという点は共通しているのですが、焼死は避難に遅れやけどの延長線上で死に至るものなのに対し、一酸化炭素中毒死は、軽度の頭痛や吐き気から急激に動けないほどの昏倒から死に至るものとなっており、直接的には傷や火傷の痕などは見られないことが特徴と言えます。
火災は火災報知器、一酸化炭素中毒は一酸化炭素警報機の設置によってより退避がしやすくなります。
なお、ストーブの異常や自動車の事故などでも一酸化炭素中毒死というケースが見られ、換気の大切さが指摘されています。
まとめ
「焼死」は焼けて命を失うこと、「一酸化炭素中毒死」は一酸化炭素中毒になり意識を失いそのまま命を失うこととなっており、見た目は全く異なるものとなっていますがどちらも恐ろしいことです。
身近な発生例では暖房器具の異常などが挙げられ、換気及び説明書に従った適切な使用が必須と言えます。
また火災報知器や一酸化炭素警報機の設置も重要と言えます。