急いでいる様子を表す「小走り」と「早歩き」という言葉。
このふたつはいったいどのように違うのでしょうか。
今回は、「小走り」と「早歩き」の違いについて解説します。
「小走り」とは?
「小走り」とは「ごく軽く走ること」を意味する言葉です。
全力を出した走りと比べると非常に遅く、歩くのに近い程度のスピードでの移動を指す言葉です。
「急いで歩くこと」を「小走り」とする説もありますが、移動している主体から見て明らかに歩いているのではなく走っているという意識があるのが「小走り」であり、歩きとは明らかに異なります。
はっきりとした定義はありませんが、移動時に体が走るときと同じように前傾姿勢になり両足共に注意に浮く瞬間があれば明確に「小走り」に分類されます。
気だけが急いている場合だと本人が思うほどスピードが出ていないこともよくありますが、本人に走っているという意識があり走ろうとする姿勢が少しでも見られるのであれば「小走り」であるといえます。
急ぐ必要はあるが走るのがはしたないとされる場合や人が多く走ると危険な場合など、何らかの理由で全力疾走ができない場合においてできうる最大限の移動スピードを出せる手段として用いられることが多く普段の移動方法として使われることはまずありません。
効率的にも体力的にもあまりいい移動方法であるとはいえず、一時的に急ぎたい場合のみに限って使われます。
「小走り」の使い方
・部下に声をかけたところ小走りで近寄ってきた。
・早く帰ってテレビが見たいのでついつい小走りになってしまう。
・宿泊客でいっぱいなので中居は皆小走りで廊下を移動している。
・集合の合図を聞いて選手が小走りで集まってきた。
「早歩き」とは?
「早歩き」とは「通常補講よりも速度を上げて歩くこと」を意味する言葉です。
「普通に歩くよりも若干スピードを上げた歩き」が「早歩き」です。
速いと言っても走るほどではなく2~3割程度のスピードアップにとどまり、歩行の範疇におさまるものを指します。
不動産業界では徒歩の移動速度を分速80メートルと定めています。
分速80メートルが一般的な歩く速度だと考えると分速90~105メートル程度のあるきが「早歩き」となります。
あくまでも走ってはいないので移動時の姿勢などもある気に準じます。
背筋は伸びたままで走行時のような前傾姿勢は見られず、両足のうちどちらか一方が常に地面に接地しています。
本人も歩いているという意識で移動していることがポイントでどんな姿勢であっても本人が速度を上げて歩いていると意識していれば「早歩き」です。
「早歩き」の使い方
・暗くなりそうなので早歩きで帰る。
・次の授業に遅れないよう早歩きで教室に向かう。
・一刻も早くその場を離れようと早歩きで立ち去った。
・早歩きしたので疲れてしまった。
「小走り」と「早歩き」の違い
「小走り」と「早歩き」の違いは「速度」です。
一般的に「小走り」は歩くよりも速度が速く走るよりも遅い移動を指します。
「早歩き」は歩くよりも早く「小走り」よりも遅い移動を指します。
歩く、早歩き、小走り、走るの順番で速度が上がっていきます。
まとめ
「小走り」と「早歩き」はとても良く似ており厳密な定義などはありませんが長年の慣習で使い分けられている言葉です。
微妙な速度差や姿勢の違いなどで区別されているので見分けるときは全体的な動きを見て判断してください。