この記事では、「職工」と「職人」の違いを分かりやすく説明していきます。
働く人にまつわる言葉を、学んでいきましょう。
「職工」とは?
職工(しょっこう)とは、工場ではたらく人のこと。
手作業で、ひとつの物をつくる労働者をあらわします。
昔の製造業の現場で使われていた言葉です。
「職工」には「職」と「工」の言葉が、組み合わさって作られています。
「職」は仕事のこと。
「工」は「製作する・物をつくる」という訳があります。
また「工」は「士農工商」にも使われていた漢字で階級を連想させることから、あまり現代では積極的に用いられていません。
そのため明治から昭和の初めにかけて、工場で労働していた人のことを「職工」と呼んでいます。
使い方としては「明治時代の職工の歴史について、詳しく調べてみた」「職工として多くの人が、海外から移住をおこなった」などと用います。
また中国や香港では「働く人」という意味で「職工」が使われています。
「職人」とは?
職人(しょくにん)とは、専門的に物づくりをしている人のこと。
熟練したスキルを持っている人をあらわします。
人間国宝のような、スペシャリストです。
日本には、色々な種類の職人さんがいます。
ケーキ職人やパン職人などのグルメ系の職人さんもいれば、瓦や畳の製作をおこなう和文化の職人さんもいます。
その道の達人の所で修行をつみ、何十年にもわたってスキルを身に付けた人を「職人」といいます。
また職人を目指している人を「見習い・内弟子」と呼んでいます。
こうした技を身に付けるまでには、長い年月と体力が必要になります。
そのため日本の職人さんの数は、年々減少しています。
どのように日本の文化を継承していくか、課題のひとつになっています。
「職工」と「職人」の違い
どちらも「職」が入っているので、区別しにくいです。
「職工」と「職人」の違いを、分かりやすく解説します。
・よく使われるのは「職人」
「職工」と「職人」は見た目が似ているので、間違えやすい熟語です。
職工は明治や昭和の初めにかけて、使われていた言葉です。
「工場で働いている人・労働者」という意味があります。
雇われた人としてのニュアンスが強いので、あまり現代の日本では耳にすることはありません。
一方で「職人」は、匠の技を身に付けたスペシャリストのこと。
素人が真似できない、すごい技術を持っている人をあらわします。
熟練した技術をもっている人、手作業で何かを作り出せる人が職人です。
パン職人や寿司職人のように、自分の技をひとつの仕事にしている人が「職人」です。
職工との区別を、付けておきましょう。
まとめ
「職工」と「職人」の違いを分かりやすくお伝えしました。
どちらも物作りをおこなう人のこと。
職工は過去に使われていた「工場の労働者」をあらわします。
そして職人は、卓越したスキルを身につけた達人のこと。
その人ならではの、究極の技をきわめた人です。