小さい子供に何かをやらせるためによく使われるのが、ご褒美の手法です。
例えば、ご飯の時間に落ち着いて全部食べられれば、その後大好きなアニメを見せてもらえるとかがこれに当たります。
これは子供にとってはアニメを「目当て」に、ご飯を食べるという「目的」を果たすために頑張るということになります。
それではこの「目当て」と「目的」はどういう意味なのでしょうか。
この記事では、「目的」と「目当て」の違いを分かりやすく説明していきます。
「目的」とは?
「目的」とは、英語で「goal」あるいは「objective」と呼ばれ、「実現しようとしするゴール」のことを言います。
アリストテレスが「全ての物には目的が存在する」と言ったように、哲学的には全ての事象の存在意義として捉えられ、また神学においては「神の意図を実現すること」という意味で捉えられていました。
現在での最も一般的な用法としては、何かを行う時に「その先のあるべき姿」としての「目的」を設定するという形での使用になります。
「目当て」とは?
「目当て」とは、「目指しているもの」とか「目印」という意味の言葉です。
あるいは「狙い」というニュアンスでも使われます。
小学校の教育現場などで「目標」という意味で使用される場合には「めあて」とひらがなで表記します。
すぐに思いつくのが「金目当て」などの言い方なので、良くない印象を持たれる言葉というのが一般的です。
英語では「mark」「guide」「purpose」など用法に応じて変更します。
「目的」と「目当て」の違い
「目的」と「目当て」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、「成し遂げるためのターゲット」を表す言葉という面では同じですが、モチベーションの設定の仕方に違いがあります。
「目的」はそれ自体が結果でありモチベーションですが、「目当て」はモチベーションを別に設定して、そのために何かを成し遂げるというニュアンスがあります。
したがって、「何かを目当てに目的を達成する」という表現が可能になります。
しかし、多くの教育現場では「目標」や「目的」と同じ意味で「目当て」という言葉を使用する場合もあります。
「目的」の例文
「目的」の例文は以下のようになります。
・『今回のプロジェクトの目的は大幅なコスト削減です』
・『目的としているレベルに達成するためには、さらに大きな努力が必要です』
「目当て」の例文
「目当て」の例文は以下のようになります。
・『金を目当てに空き巣に入りました』
・『3学期の目当ては漢字をたくさん覚えることです』
まとめ
この記事では、「目的」と「目当て」の違いを、解説してきました。
何かを「目当て」にして行動を起こさせること自体は悪いことではありません。
しかし、それが本来の「目的」と大きく乖離するとそこに無理が生じます。
これは、多くの詐欺の手口に使われていることから明白です。
重要なのは、モチベーションは与えられるものではなく、自分で見つけ出すものであるということです。