この記事では、炭素繊維の「カーボン」と繊維強化プラスチック「FRP」の違いを分かりやすく説明していきます。
「カーボン」とは?
炭素やカーボン紙など様々なものを指す言葉ですが、素材としてみた場合、炭素繊維カーボンファイバーやCFRP炭素繊維強化プラスチックによる素材を指す言葉で、加工が難しい素材ではありますが極めて軽量で硬い素材となっています。
繊維を元にした素材であることから、塗装しない場合独特の模様がついています。
用途はジャンボジェット機の胴体、スポーツカーやカスタムカー系の自動車の屋根、ロードレーサーなどの自転車のホイールやフレーム、ノートパソコンのシャーシ、釣り竿や傘の骨、ゴルフクラブなどがあり、軽量であることがメリットになる製品に基本的に使用されています。
鉄道車両の車体や台車にも実験的に使われつつあります。
比較的実用化の新しい素材であり高価であったり加工が比較的難しいというデメリットもあるものの、宇宙開発にも期待がかかる素材です。
「FRP」とは?
Fiber Reinforced Plasticsの略で、Fiber 繊維によってReinforced 強化された Plasticsプラスチックとなります。
ガラス繊維や炭素繊維を使って作られるため、CFRP炭素繊維強化プラスチックはFRPの一種と見ることも出来ます。
ガラス繊維を使ったものがポピュラーでFRPだけの表記でもガラス繊維FRPを指すことがあります。
ボートの船体、鉄道車両の先頭部分、自動車に装着するエアロパーツ、プールの水を貯める部分そのものなどに使用されていて、お台場の実物大ガンダム立像もFRP製でした。
軽いことがメリットですが、強度はそれなりというレベルのため、すべてFRPの鉄道車両などは存在しません。
曲線的な加工も可能です。
なお、タングステンにホウ素を蒸着させた金属繊維であるボロン繊維を使用したボロン繊維強化プラスチックでは戦闘機などにも使用されます。
「カーボン」と「FRP」の違い
「カーボン」と「FRP」の違いを、分かりやすく解説します。
カーボンは炭素のことで、FRPは繊維を使った強化プラスチックのことを指します。
カーボン製の炭素繊維を使用したFRPも存在しています。
カーボン製の炭素繊維は強度が強く軽量なことがメリットで、カーボン製のFRP、CFRPでは自動車の屋根を軽量化する目的で使用することもあります。
一方FRPはカーボン以外にもガラス繊維やボロン繊維によるものがあり、用途がかなり異なっています。
ポピュラーなものはガラス繊維のFRPで、ボートやプール、鉄道車両の先頭部分などに用いられています。
まとめ
FRPは繊維を使った強化プラスチックのことで、カーボンは素材としては炭素繊維、意味そのものとしては炭素など幅広い意味合いがあり、CFRPは炭素繊維を使用したFRPとなっています。
FRPは現在多岐にわたって使用され、カーボン素材は将来性が高く見込まれています。