テレビやネットで天気予報を見ると、頻繁に登場する言葉として、「レーダー」とか「アメダス」というものがあります。
これらは気象庁が管理する気象観測のための装置なのですが、これらが何かについて知っている人は多くないでしょう。
ではこれらは何で、違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「レーダーアメダス」と「アメダス」の違いを分かりやすく説明していきます。
「レーダーアメダス」とは?
「レーダーアメダス」とは、後で説明する「アメダス」で取得した気象データに「気象レーダー」で観測したデータを合わせたもののことを言います。
「気象レーダー」とは、文字通り「レーダーから電波を発射して、反射して帰ってきた電波を解析して気象状況を判断する機器」です。
判断にはドップラー効果の理論が使われています。
全国に20箇所あり、それぞれ半径数百キロの範囲の詳細なデータを取得することができます。
範囲を特定したピンポイントの測定もできるので、局地的な気象状況の把握も可能です。
「アメダス」とは?
「アメダス」とは、「AMeDAS = Automated Meteorological Data Acquisition System」の略で、自動気象データ収集システムのことです。
全国には約1300個の「アメダス」の観測機器が設置されていて、各管区気象台によって管理されています。
機器としてはセンサーを内蔵した比較的小型のものなので、設置はそれほど困難ではありません。
収集したデータは10分ごとにセンターに送られて集計されています。
設置された地点のみの状況しか観測できないので、設置されていない場所での集中豪雨などの局地的な状況を観測するのは困難です。
「レーダーアメダス」と「アメダス」の違い
「レーダーアメダス」と「アメダス」の違いを、分かりやすく解説します。
これらは気象庁が管理する気象台が設定している観測機器であるのは同じです。
違いは観測方法と観測範囲です。
「アメダス」は、観測装置自体のある場所に振っている雨や雪の状況をセンサーで測定して、たくさんの設置場所のデータを統合できるので、数十キロレベルの広い範囲の気象状況を観測することができますが、それより狭い局地的な状況はわかりません。
それに対して「レーダーアメダス」は「アメダス」のデータに、レーダーによって狭い範囲の状況を観測できる「気象レーダー」のデータを合わせたものになるので、広い範囲も、局地的な状況もわかります。
「レーダーアメダス」の例文
「レーダーアメダス」の例文は以下のようになります。
・『レーダーアメダスはアメダスと気象レーダーのデータを合わせたものです』
・『レーダーアメダスの解析は広い範囲の気象状況も狭い範囲のものも捉えられるので利用価値が高いと言えます』
「アメダス」の例文
「アメダス」の例文は以下のようになります。
・『アメダスはそれぞれの各管区気象台が設置した気象観測のための機器です』
・『アメダスは自動的に気象データを採集して蓄えておくことができます』
まとめ
この記事では、「レーダーアメダス」と「アメダス」の違いを、解説してきました。
このように気象観測の方法は日々進化しています。
例えば、今では特定の地域の集中豪雨のような「アメダス」だけではわからなかった局地的な状況も「気象レーダー」との組み合わせで見ることができます。
しかし、これらのデータを判断して予報や注意喚起につなげるのは気象予報士の手腕によるところが大きいと言えます。