この記事では、「建築士」と「設計士」の違いを分かりやすく説明していきます。
「建築士」とは?
「建築士」とは、一級建築士、二級建築士、木造建築士のいずれかの国家資格に合格した人のみが名乗る事のできる職業です。
建築に関する法律を熟知し、設計や工事の監督管理、行政の手続きなどの業務を行います。
建築士法という法律で定められており、この上記3つの資格を有していない人がこのような業務をすると法律により罰せられる場合があります。
一級建築士の合格率は10%程度と非常に難関資格のひとつであり、その資格を有する人は建築に関する極めて専門的な知識と経験を持っている事になるため、「建築士」という肩書はある意味大きなプライドとなり得ます。
「建築士」の具体的な業務の例を挙げると、設計図の制作は当然のことながら、設計に関する細かい打ち合わせや、実際の施工業者に対する細やかな指示など建築に関わる幅広い業務を担います。
「設計士」とは?
「設計士」とは、建築に関わる業務をする人を指す言葉になります。
「設計士」には上述した「建築士」のような国家資格は存在しないため、極論を言えば明日からでも「設計士」を自称する事は可能です。
「設計士」は「建築士」が行う資格が必要な仕事は出来ないため、基本的にはそれらの仕事の補佐やサポートが主となります。
「設計士」は建設業界に関わる全ての人を表す言葉でもあり、その範囲や能力を定義するものではありません。
そのため、建築業に関係する企業に就職したばかりの人でも「設計士」を名乗る事は可能です。
このように建築業にかかわる広い範囲を「設計士」と呼ぶため、上記の極めて難しい資格を取得した「建築士」に対して「設計士」と呼ぶと場合によっては不快に思われる事もあるかもしれません。
「建築士」と「設計士」の違い
「建築士」と「設計士」の大きな違いは、国家資格の有無です。
「建築士」を名乗れるのは一級建築士、2級建築士、木造建築士という3つの国家資格を合格した人のみであり、建築に関する幅広い知識を有しています。
対して「設計士」は名乗るために必要となる資格などは存在しないため、建築業に携わる全ての人が「設計士」と名乗っても問題はありませんが、「建築士」の国家資格を持っていない人が、関係する業務をする事は法律により禁止されているため、「設計士」はあくまで「建築士」の補助やサポートする業種である事を理解しておく必要があると言えます。
まとめ
「建築士」は、国家資格を持つ人のみが名乗れる職業であり、業務内容も建築法律を始めとする建築に関する幅広い知識を持っている人を指す言葉となります。
「設計士」は名乗るために必要な資格などは存在しないので、建築業に関わる人なら誰でも名乗る事が可能です。
「建築士」の専門的な業務をサポートし、補助する役割を担うのが「設計士」という事を覚えておくとよいでしょう。