この記事では、「泥縄」と「一夜漬け」の違いを分かりやすく説明していきます。
「泥縄」とは?
物事が起こってから、慌てて準備や対策をすることです。
あらかじめ余裕をもって準備や対策をすることではありません。
交通渋滞のことで説明をします。
ある道路は普段は問題なく自動車が通ることができていました。
交通渋滞が起こることは滅多にありません。
しかし、もう少し道路を整備した方がいいのではないかという意見がありました。
あるとき、この道路の先に観光施設ができました。
観光施設は有名になり、この道路は自動車の通りが多くなり、それによって渋滞が頻繁に起こるようになりました。
周囲の住民からは排気ガスや騒音に関する苦情がよせられ、自動車の運転手からは不満の声がよせられています。
こうなってやっと、その道路の整備が行われました。
渋滞という事態が起こってから、慌てて対策をしたのです。
このように、前もってではなくて、何かが起こってから慌てて準備や対策をすることを意味します。
「泥縄」の使い方
物事が起こってから慌てて準備や対策をするという意味で使用をします。
余裕を持って何かの準備や対策をすることには使用しません。
「一夜漬け」とは?
「一夜漬け」には3つの意味があります。
1つめは一晩だけ漬けた漬物です。
カブ、キュウリ、ニンジン、ダイコンなどの野菜を適当な大きさに切り、塩、砂糖、酢などの調味料に1回の夜を過ごすだけの時間漬けると、この言葉が指すものができあがります。
味はしみこんでいますが、発酵はしていないことがほとんどです。
2つめは、勉強や仕事などを間に合わせで急いで準備することです。
何日かかけて急いで覚えるのではなく、一晩で覚えることを意味します。
試験勉強でこれをやることがありますが、たいていはちゃんと身についていません。
3つめは歌舞伎などで、世の中で話題になった事件などをすぐに脚色して、上演をすることです。
「一夜漬け」の使い方
にわか仕込みという意味で使用します。
食べものについてや、仕事、勉強について使います。
「泥縄」と「一夜漬け」の違い
そのときになって準備するという意味合いが似ていますが、ニュアンスが異なります。
「泥縄」は慌てて準備や対策をすることです。
仕事や勉強以外のことにも使います。
「一夜漬け」はにわか仕込みのことです。
仕事や勉強について使うことが一般的です。
また、一晩漬けた食べものの意味もあります。
「泥縄」の例文
・『泥縄式』
・『泥縄な対応』
・『放置していたために泥縄になった』
・『泥縄だったが結果は悪くない』
「一夜漬け」の例文
・『かぶの一夜漬け』
・『一夜漬けをして何とか間に合った』
・『一夜漬けでは味のしみ込みが足りない』
・『一夜漬けでは記憶に定着させるのは難しい』
まとめ
そのときになって準備をするという意味合いを持つ2つの言葉ですが、ニュアンスや使い方に違いがあります。