悪いことをすれば、後ろ暗い気持ちになります。
そんな状態を「後ろめたい」と言いますか、それとも「やましい」と言いますか。
この記事では、「後ろめたい」と「やましい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「後ろめたい」とは?
後ろ暗いところがあって、良心がとがめることです。
古文では、あとのことが気がかり、将来が心配でなりゆき不安なとき、気が許せない、油断がならないときにも使われます。
もともとは後ろ目痛し、もしくは後ろ辺痛しを語源とし、後のことが気になる、または後方が気になるという意味から不安を表すようになったと言われています。
「やましい」とは?
良心に恥じるところがあることです。
古文では、気分が悪い、病気である、不満であるときに使われています。
「やましい」は疚しいとも書き、もともとは病気などで抱える苦しみや悩みという意味から変化してきました。
「後ろめたい」と「やましい」の違い
「後ろめたい」と「やましい」の違いを、分かりやすく解説します。
「後ろめたい」と「やましい」は、ほぼ同じ意味ですが、使い方が違います。
「後ろめたさ」はどのようにでも使えますが、「やましい」は述語として使われません。
また、「やましい」は相手に対して申し訳ないという意味のときに使い、相手がおらず、自分に対しての後悔にはあまり用いることはありません。
「後ろめたい」の例文
「後ろめたい」の例文を紹介していきます。
・『私はカンニングしていないため、後ろめたい気持ちは一切ありません』
カンニングなどをせず、勉強して努力していれば、堂々とした態度でいられるでしょう。
・『あなたに連絡し忘れていたことが後ろめたい』
このように述語として使う場合は、「やましい」に置き換えられません。
・『私はゴミの分別を間違い続けたことを後ろめたく感じます』
自分一人の問題であり、誰かに対して申し訳ない気持ちになっていないときは、「やましい」を使いません。
「やましい」の例文
「やましい」の例文を紹介していきます。
・『私はこんな風貌ですが、やましいことは何もしていません』
このように「やましい」は連体修飾語として使うことが多いでしょう。
「後ろめたい」に換えられます。
・『私は警察官を見ると、なぜかやましい気持ちになります』
日ごろの行いを振り返ってしまい、警察官に対して「やましい」気持ちになることがあるでしょう。
これも「後ろめたい」に換えられます。
・『やましいことがなければ、彼女は携帯電話を見せられるはずです』
携帯電話には色々な個人情報が入っているため、それを見せれば隠し事はできないでしょう。
「後ろめたい」に換えることも可能です。
まとめ
「後ろめたい」と「やましい」は意味がほとんど同じですが、「やましい」の方は使い方が限定されています。
「後ろめたい」も「やましい」も、できれば抱かない方がいい感情です。
努力を怠らず真面目に生きるようにすれば、そのような感情とは無縁でいつも堂々とし、安心して暮らせるでしょう。