「厳格」と「厳密」の違いをご存知でしょうか。
ここでは二つの言葉の違いと、それぞれの言葉を使った例文、意味を説明しています。
では一緒に見ていきましょう。
「厳格」の意味や使い方
「厳格」とは、正しくないこと、怠けること、誤魔化すことなどを許さない、厳しい態度を言います。
厳しくて手加減をしない様子のことでもあります。
例えば「厳格な人」と言えば、厳しく、甘やかしなどしない人のことです。
正しくて、ちゃんとしているといった意味ではありますが、窮屈で息がつまる、厳しくて落ち着かないといったニュアンスもあります。
「厳格な家庭に育った」「厳格な親で、甘えるということができなかった」「厳格な上司」などと使います。
「厳密」の意味や使い方
「厳密」とは、小さいところまで、厳しく行うこと、細かいところまで注意ができている様子といった意味で使います。
大雑把ではない、細かいという意味合いで使うことが多い言葉です。
「厳密に言えば、彼のやり方は正しいわけじゃないのだ」「厳密な調査をした上で判断される」「厳密なのはわかるが、これはいくら何でも厳しいのではないか」などと使います。
「厳格」と「厳密」の違い
「厳格」と「厳密」はどちらも厳しいという点では同じ意味となります。
違いと言えば「厳格」とはそのものが持つ性質を表す言葉であるということでしょうか。
「厳格な人」「厳格な家庭」などと言い表すことがありますが「厳密な人」「厳密な家庭」とはあまり使わないでしょう。
「厳密」とは細かな点まで厳しく行うという意味で、状態を表す言葉です。
物事を行う時などに、緩くする、大雑把にする、適当にする、ちゃんとするといった言い方をします。
このような時に厳しく、細かく注意をするという意味で「厳密」は使うのです。
「厳格」の場合は人にも物事にも使いますが「厳密」は人の性格を言い表す時には使わないという風に覚えておきますといいでしょう。
「厳格」を使った例文と意味を解釈
「厳格」を使った例文とその意味を見ていきましょう。
「厳格」の例文1
「彼女の父親はいかにも厳格そうな顔をしている」
厳しそうな人のことを「厳格」と言います。
例文は、彼女の父親は厳しそうな顔をしていると言っているのです。
「厳格」の例文2
「厳格な審査をパスした者だけがここにいるのだ」
「厳格」とは、不正や失策などを絶対に許さない態度という意味があります。
例文は不正などがありえない厳しい審査を通ったということを言い表しているのです。
「厳密」を使った例文と意味を解釈
「厳密」を使った例文と意味を見ていきましょう。
「厳密」の例文1
「厳密な調査が、数か月に渡って行われたらしい」
小さい点まで厳しく調べることを「厳密な調査」と言い表します。
「厳密」の例文2
「彼は、厳密に言うと嫌がるタイプだから、何も言うまい」
細かいところまで厳しく指摘することを「厳密に言う」と言います。
例文は、細かく言うと嫌がる人だから、あえて言わないと言っているわけです。
まとめ
いかがでしたか。
「厳格」と「厳密」、それぞれの言葉の意味と違いが理解できたのではないでしょうか。
非常に似た言葉ですが、それぞれの違いを正しく理解して使い分けてください。