「スリップ」と「ドリフト」はどちらも自動車が滑るシーンで使用される言葉ですが、意味が異なるため区別して覚える必要があります。
この記事では、「スリップ」と「ドリフト」の違いを分かりやすく説明していきます。
「スリップ」とは?
「スリップ」は「自動車が滑ること」を意味し、路面に接しているタイヤのグリップ機能が何らかの原因によって低下し、路面上を滑ることを表しています。
タイヤの摩擦抵抗が少なくなる雨や雪などの悪天候時や、土や砂の多い路面を走る際に起こりやすいといわれています。
「ドリフト」とは?
「ドリフト」は「自動車における運転テクニックの一種」で、「全てのタイヤ或いは後輪を横に滑らせながら車体をスピンさせずに運転すること」を意味します。
「ドリフト走行」と呼ばれることもあり、「モータースポーツの技術」と捉えられています。
「スリップ」と「ドリフト」の違い
「スリップ」と「ドリフト」は双方とも「自動車が滑ること」を表した言葉ですが、「運転者の意図があるかどうか」、「車体がコントロールされているか」に違いがあります。
「スリップ」は運転者の意図とは関係なく、雨や雪といった天候が原因で生じることが多い現象です。
また、タイヤが「スリップ」すると「車のコントロールが効かない状態」になるため、車体がスピンしてしまったり、事故につながったりする危険性もあります。
一方、「ドリフト」は「自動車特にモータースポーツにおける運転テクニックの一種」で、「運転者の意図によってタイヤを横滑りさせながら走行すること」を意味します。
豪快な走行方法に見えますが、「ドリフト」をおこなうドライバーの卓越した運転技術によって「車がコントロールされている」ことがポイントです。
「ドリフト」には「サイドブレーキを使用するドリフト」や「クラッチを使用するドリフト」など様々な種類があるほか、「披露するための運転テクニック」としての人気が高く、世界各地では「ドリフト競技の大会」が催されており、日本で開催されている「全日本ドリフト選手権」やアメリカで開催されている「フォーミュラ・ドリフト」などが有名です。
また、日本には「ドリフト」専用のサーキットがあり、カー用品ショップでは「ドリフト」に特化したタイヤやホイールなども販売されています。
このように「ドリフト」はモータースポーツのひとつとしても人気がありますが、一般道でおこなうには多大な危険が伴い、過去には「ドリフト走行による事故」も発生しています。
現在では道路交通法違反に問われる可能性が高いため、公道では「ドリフト」をおこなわないよう注意が必要です。
まとめ
「スリップ」と「ドリフト」を識別する際は、「運転者の意図があるかどうか」、「車体がコントロールされているか」といった点に注目しましょう。
両者の正しい意味を知ることで、言葉の意味だけでなく車や運転技術に関する知識を増やすことにもつながるでしょう。