「因縁」と「怨念」は、似たような読み方を行う言葉ですが、それぞれが持つ言葉の意味は異なります。
この記事では、「因縁」と「怨念」の違いを分かりやすく説明していきます。
「因縁」とは?
「因縁」の読み方は、「いんねん」です。
この言葉は、いくつかの意味を持つ言葉となります。
前世から定まっていた運命といった意味や以前からの関係、ものごとの起こり、言いがかりなどです。
また、仏語としても用いられる言葉です。
「因縁」一つで、これらの意味を含み日常的に用いられています。
そのため、同じような意味を持つ言葉も、それぞれの意味に応じて異なり、「宿命」や「運命」、「ゆかり」や「結び付き」、「由来」、「縁」などとなります。
「因縁」の使い方
「因縁」の場合、「因縁をつける」や「因縁が深い」、「因縁がある」といった形で用います。
そのほか、「因縁の対決」や「因縁の相手」といった言葉もあります。
「怨念」とは?
「怨念」の読み方は、「おんねん」です。
この言葉の意味は、うらみのこもった思いやうらみに思う気持ちです。
この「怨念」は、他人に対し深くうらむ気持ちを意味するものとなります。
言い換えれば、「憎しみ」や「妬み」、「嫉み」、「怨恨」、「憎悪」、「物恨み」などと同じです。
「怨念」の使い方
「怨念」の場合、「怨念を抱く」や「怨念を持つ」といった形で自分には誰かに対し「怨念」があるということを表現します。
そして、その「怨念」をなくす際には、「怨念を晴らす」といった形で用います。
「因縁」と「怨念」の違い
「因縁」は、前世から定まっていた運命、以前からの関係、ものごとの起こり、言いがかりといった意味を持つ言葉。
「怨念」は、うらみのこもった思いやうらみに思う気持ち。
といったように、全く異なった意味を持つ言葉となります。
「因縁」は、ポジティブにもネガティブにも用いられる言葉ですが、「怨念」は、ネガティブな意味のみとなります。
「因縁」の例文
・『君とここで再会したということも、何かの因縁だろうと僕は考える』
・『祖父の代から因縁の深い場所に僕も子供たちと暮らすことに決めました』
・『よくもまあ、ここまで、よくわからないことで因縁をつけることができるものだ』
・『同期の中でも、営業成績トップを走り続ける二人の対決は、常に因縁の対決だと言われている』
「怨念」の例文
・『怨念など抱きながら生きていても、何も良いことはありません』
・『わら人形に深い怨念を込め、釘を打ち付けているシーンを見て人間の恐ろしさを知りました』
・『知らずしらずのうちに、彼女に怨念を持たれていたとは気付かなかった』
・『私をいじめ続けてきた人に対し、私は今後も怨念を抱いて生きていくことでしょう』
まとめ
このように、「因縁」と「怨念」は、全く異なった意味を持つ言葉です。
そのため、意味を間違って使用しないよう注意しなければいけない言葉となります。