人間の心の動きを意味する「感情」と「情動」は違う意味を持つ言葉なのか。
この記事では、「感情」と「情動」の違いを分かりやすく説明していきます。
「感情」とは?
なにか、ものごとに感じて起こる気持ちや外からの刺激や感覚、観念などによって引き起こされるものが「感情」です。
この「感情」には、言葉にして表すことができないようなものも含まれます。
その内容は、好きや嫌いといったものから、快く思うこと、不快に思うこと、恐怖、怒りなど多岐に渡ります。
言い換えれば、「気持ち」や「心情」、「思い」、「気分」、「ムード」といった言葉と同じです。
対義語は、道理によって物事を判断する心の働きを意味する「理性」です。
「感情」の使い方
「感情」というものは、表に出さないと相手に自分の気持ちを伝えることができないものとなります。
そのようなことから「感情をむき出しにする」や「感情を抑える」、「感情的になる」などといった形で用いられるほか、「感情に走る」や「感情移入」、「感情を刺激する」などといった形で用いられます。
「情動」とは?
「感情」は、急激で一時的なものを指す言葉です。
その急激で一時的な「感情」は、喜びや悲しみ、怒りや驚き、といったものとなります。
このような気持ちが急激に熱くなること、一時的に熱くなることが「情動」です。
言い換えれば、「欲望」や「本能」、「衝動」、「欲求」といった言葉と同じです。
「情動」の使い方
「情動」は、「情動反応」や「情動行動」、「情動的経験」、「情動的矛盾」、「情動体験」、「情動の元」といったような形で用いられます。
「感情」と「情動」の違い
「感情」は、ものごとに感じて起こる気持ちや外からの刺激や感覚、観念などによって引き起こされるものであり、主に喜怒哀楽となります。
このような、喜怒哀楽において、急激かつ一時的に起こるものが「情動」です。
「情動」は短期間の激しい「感情」となり、身体的な動きを伴うものとなります。
反対に「感情」の場合、身体的な動きを伴うことはありません。
「感情」の例文
・『先ほどは、感情的になってしまい大変失礼いたしました』
・『社会生活において、自分の感情をコントロールすることは非常に重要です』
・『すぐに感情をむき出しにして怒鳴る夫が大嫌いです』
・『母はすぐに感情的になりヒステリックに怒ってきます』
「情動」の例文
・『幸せいっぱいの家族と一緒にいると、自分まで幸せな気分になってしまうことを情動感染という』
・『別れた彼氏が新しい彼女と幸せ層にしている姿を見て情動に駆られてしまいました』
・『人間の情動的矛盾はどのように解決すべきか』
・『妻の情動の元になったのは、まさか、夫である私なのか』
まとめ
「感情」と「情動」は、同じような意味を持つ関係の言葉ですが、「感情」の中でも、急激かつ一時的といった特徴を持つ言葉が「情動」といった違いがあります。
その点の違いに注視しなければなりません。