「成る」と「為る」の違いをご存知でしょうか。
ここでは二つの言葉の違いと、それぞれの言葉を使った例文、意味を説明しています。
では一緒に見ていきましょう。
「成る」の意味や使い方
「成る」とは、物事ができあがる、成功する、構成されるという意味になります。
「国会は参議院、衆議院から成ることはもちろん知っていると思うが・・・」「師匠の手に成るもので、私の宝物です」「新築成る我が家」などと使います。
「為る」の意味や使い方
「為る」とは、ある状態から別の状態へ変化する、別の状態に達するという時に使います。
どちらかと言えば通常は「為る」ではなく「なる」と平仮名で書くことが多いでしょう。
「おたまじゃくしはいずれカエルと為る」「雨は、夕方から雪に為ると天気予報で言っていた」「はやく、大学生に為りたい」などと使います。
「成る」と「為る」の違い
「成る」と「為る」は読み方が「なる」で同じですが、意味合いによって漢字を使い分ける必要があります。
「成る」とは、物事が結果として実現した、成立したという時、ある人によって作られるという時、構成される、形作られるという時に使います。
また願い事がかなった時、実現した時も「成る」を当てます。
一方の「為る」ですがこれはそれまでとは違う物体、違う状態に変化するという時に使う漢字です。
一般的には平仮名であることが多いのです。
「あれだけの漫画、本があっという間に灰に為る」とは、紙が燃えて灰へと変化したということで「成る」ではなく「為る」を使うのです。
使い分けが難しい、どちらかわからないという場合は、当て間違いをするよりは「なる」と平仮名で書く方が無難です。
「成る」を使った例文と意味を解釈
「成る」を使った例文とその意味を見ていきます。
「成る」の例文1
「念願の優勝と成った、しかし来年からは追われる立場だ」
願い事が叶う、実現することを「成る」と書きます。
例文は念願だった優勝ができたと言い表しているのです。
「成る」の例文2
「これは、先生の手に成る作品なので、勿体なくて使えない」
その人によって作られたということを「成る」と言います。
例文は先生によって作られた作品なので、勿体なくて使えないと言っているのです。
「為る」を使った例文と意味を解釈
「為る」を使った例文とその意味を見ていきます。
「為る」の例文1
「彼女が、部長へ為るとは驚きだ」
別の状態へ達することを「為る」と書きます。
例文は部長という立場へ変わったという意味になります。
「為る」の例文2
「相手の身に為って考えてみたらわかるでしょう」
別のものに変わる、別の状態になるという時「為る」という字を使います。
例文は自分ではなく、相手の立場に変わって考えてみれば物事がわかるでしょうと言っているのです。
まとめ
いかがでしたか。
「成る」と「為る」、それぞれの言葉の意味と違いが理解できたのではないでしょうか。
少々難しいのですが、違いを正しく理解して使い分けてください。