混同されやすい言葉として「交互」と「相互」がありますが、具体的にはどんな違いで使い分ければよいのでしょうか。
今回は、「交互」と「相互」の違いについて解説します。
「交互」とは?
「一回ごとに交代して順番にやること」を意味する言葉です。
Aの次はB、Bの次はA、Aの次はBというように「二人いる状態でそれぞれが交代で何かをやること」を指して「交互」といいます。
二人が同時にやることはなく「どちらかが実行しているときもう一方は休むという形で交代しながらくりかえてしていく様子」を指す言葉です。
似たような意味を持つ言葉として「代わりばんこ」「互い違い」などがありますが、これらもどちらか一方のみが実行しもう一方は休む様子を表します。
一人しかできないことを二人でやろうとするときやひとつしかないものを二人で使うときなどによく用いられますが「赤と白のシールを交互に貼っていく」「車とバイクが交互に並んでいる」というように人の行動ではなく物に対しても使える言葉です。
基本的には対象が2つである場合に使われますが、3つ以上の物事に対して使われることもあります。
「交互」の使い方
・『プレイヤーが交互にコマを動かしてゲームを進めていくというルールになっている』
・『解答は両チームが交互に行う』
・『野球は両チームが交互に攻撃するスポーツだ』
・『2色の四角形が交互に並んでいる模様を市松模様という』
「相互」とは?
「相互」とは「2つ以上の人や物がお互いに影響を及ぼしあうこと」を意味する言葉です。
「相互」が表すのは「お互いに」という意味合いです。
AとBが存在するときAからもしくはBからの一方的な働きかけではなくAとBが特に制限なくお互い同士に影響を及ぼしあう様子を指して「相互」と表現します。
この場合の影響を及ぼすとは声をかけたり交流したりといった何らかのかかわり合いを意味しており、主従や上下の関係なくどちらからも同じように相手にコンタクトをとったり反応したりする様子を表します。
「相互」の使い方
・『話し合いの結果、相互が納得する形で意見がまとまった』
・『私鉄とJRの相互乗り入れが開始される』
・『SNSでフォローしてくれた人をフォローバックしたので相互フォロー状態になった』
・『同業他社と相互協力関係を締結する』
「交互」と「相互」の違い
「交互」と「相互」の違いは「順番の有無」です。
「交互」とはお互い同士が順番を守り1回毎に後退する様子を意味します。
どちらか一方が連続することの無いよう一回ごとに交替したり同じものが隣り合うことがないように1つずつ別のものを並べたりといった連続性のなさを強調した表現です。
「相互」は先攻後攻や交代など順番に当たるものがなくお互い同士が制限なく自由に影響を与える様子を指す言葉です。
一方的に受け身になるあるいは発信するだけではなくお互いが同じくらい影響を与え合い当たられていることを意味します。
童子にはならず常にひとりがやるのが「交互」、順番などは作らず自由に影響を与え合うのが「相互」という違いがあります。
まとめ
「交互」と「相互」はそれぞれ表している状況が全く違います。
誤った使い方をすると誤解を招くおそれがあるので意味をきちんと理解してふさわしい使い方をしましょう。