様々な熟語の中には、信じられない読み方をするものがあります。
例えば「吃驚」という言葉がありますが、これはなんと読むでしょうか。
答えは「びっくり」です。
それでは、この「吃驚」とはどういう意味なのでしょうか。
同じような意味で使用する「喫驚」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「吃驚」と「喫驚」の違いを分かりやすく説明していきます。
「吃驚」とは?
「吃驚」とは、もともとは中国から来た熟語で「突然のことに驚く」という意味の言葉で、「きっきょう」あるいは「びっくり」とも読みます。
現代の中国語においても全く同じ意味で使われています。
「吃」という文字には「食べる」や「飲む」という意味があるので本来は「驚きを食べてしまう」という意味になります。
英語では「surprise」です。
「喫驚」とは?
「喫驚」とは、「突然のことに驚く」という意味の言葉です。
「きっきょう」あるいは「びっくり」とも読みます。
本来は「吃驚」でしたが、「吃」に対する文字として「喫」が使われていたので、「吃驚」も「喫驚」と記述するようになりました。
意味としては同じと言って良いでしょう。
「喫」を使う言葉は他に「喫茶」とか「喫煙」がありますが、元々は、これらも「吃」を使っていました。
英語では、やはり「surprise」です。
「吃驚」と「喫驚」の違い
「吃驚」と「喫驚」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は「きっきょう」あるいは「びっくり」と読み、「突然のことに驚く」という意味があるのは同じで、多くの場合においては同様の意味で使用されるので、辞書にも並列で載っています。
2つの文字があるのには理由があって、もともと中国から来た「吃驚」の「吃」が常用漢字の中になかったので、同じ意味で使われて読みも同じ「喫」が代わりに使われたというのが経緯です。
すなわち、通常はどちらを使っても間違いではないという事になります。
ちなみに、インターネット上では「吃驚」が使われているケースが圧倒的に多いので、そちらを使っておけば問題ないでしょう。
「吃驚」の例文
「吃驚」の例文は以下のようになります。
・『突然の出来事に思わず吃驚してしまいました』
・『吃驚するのは感受性が豊かな印です』
「喫驚」の例文
「喫驚」の例文は以下のようになります。
・『大きな地震が突然起きたので喫驚しました』
・『喫驚させることによってしゃっくりを止める事ができると言われています』
まとめ
この記事では、「吃驚」と「喫驚」の違いを、解説してきました。
序文でご紹介したように、「吃驚」は「びっくり」と読みますが、このように信じられない読み方をするものを「当て字」と言います。
読み方と文字が独立して存在しているものを結びつけるということです。
このようなものは他にもたくさんあって、有名なところでは「心太」を「ところてん」と読んだり、「頁」を「ページ」と読むのは極めて普通です。