「巧妙」と「巧み」の違いとは?分かりやすく解釈

「巧妙」と「巧み」の違い言葉・カタカナ語・言語

同じ漢字を用いる言葉だからと言って、全く同じ意味を示すとは限りません。

この記事では、「巧妙」「巧み」の違いを分かりやすく説明していきます。

「巧妙」とは?

「巧妙」とは?

非常に巧みであることを「巧妙」と言います。

何かものごとを行う際、非常に優れていることやよくできる、素晴らしい出来栄え、などといった時に「巧妙」という言葉が用いられます。

このように聞くと、非常に素晴らしい良いことのように思われますが、「巧妙」の場合、良いことだけに用いられるとは限りません。

非常に優れていることであれば、それが社会的に間違った行為でも「巧妙」という言葉が用いられます。

「巧妙」は、「上手」「器用」「堪能」「慣れた」などといった言葉が類語となり、対義語は、技術などが劣っていることを意味する「拙劣」や幼稚で未熟なことを意味する「稚拙」です。

「巧妙」の使い方

「巧妙」は、「巧妙に」「巧妙な」といった形で用いるほか、「巧妙な手口」「巧妙な嘘」「巧妙な仕掛け」「巧妙な罠」などといった言葉があります。

「巧み」とは?

「巧み」とは?

「巧み」は、いくつもの意味を持つ言葉です。

大工や細工師といった手先や道具を使い物作りする職人を「巧み」というほか、その技巧や意匠。

美しいものを作り出す技やはたらきを意味するほか、「巧み」には、たくらみといった意味もあります。

「巧み」は、「腕利き」「技あり」「達者」「一枚上」などといった言葉が類語となります。

「巧み」の使い方

「巧み」は、「巧みを凝らす」「言葉巧みに」「悪巧み」「巧みな仕掛け」などといった形で用います。

「巧妙」と「巧み」の違い

「巧妙」と「巧み」の違い

どちらも、素晴らしい技術、非常に優れていることを意味する言葉ですが、含まれている意味の内容に少し違いがあります。

「巧妙」の場合、悪賢いといったネガティブな意味が含まれます。

反対に「巧み」には、そのようなネガティブな意味は一切含まれません。

この悪賢い、ずる賢いといった意味が含まれるか、含まれないか、といった点に「巧妙」「巧み」の大きな違いがあります。

「巧妙」の例文

「巧妙」の例文

・『最近、高齢者を狙った巧妙な手口の詐欺が増えてきているのでご注意ください』
・『犯人による巧妙な計画が伺える殺人現場でした』
・『彼女の巧妙な嘘によって、僕はすっかり騙されてしまいました』
・『私は巧妙なトリックのミステリーよりも、わかりやすいトリックのミステリーの方が好きです』

「巧み」の例文

「巧み」の例文

・『あなたの悪巧みは、とっくにバレています』
・『口が達者な夫は、言葉巧みに嘘をつき浮気を繰り返していました』
・『巧みな技で作られた作品は、時間を忘れ見入ってしまいます』
・『詐欺師というものは、言葉巧みに人を騙す悪人です』

まとめ

まとめ

同じ意味としても用いられることが多い、「巧妙」「巧み」ですが、悪賢いといった意味を含む言葉は、「巧妙」だけだということを理解しておく必要があります。