「大元」と「大本」の違いとは?分かりやすく解釈

「大元」と「大本」の違い言葉・カタカナ語・言語

使い分けの基準がわかりにくい言葉として「大元」「大本」があります。

意味が似ていて読みも同じこの言葉はどのような意味の違いがあるのでしょうか。

今回は、「大元」「大本」の違いについて解説します。

「大元」とは?

「大元」とは?

「大元」とは、「物事のルーツとなる最初」を意味する言葉です。

「大元」「元」という字には「物事の始まり」という意味があります。

現在に至るまでの始まりに当たるスタート地点を表すのが「元」であり、「大元」とは「いくつか考えられるスタート地点の中でもこれ以上先にさかのぼれない最も始め」を表します。

物事が現在の状態になるまでには様々な経緯や過程を経ています。

工場製品なら加工や組み立てなどが行われた結果として現在の形になりますし、人間の成長も生物としての成長過程を経て今の姿を獲得しています。

法律や仕組みなど形のない物事であっても現在の状態になるまでにはいろいろな経緯や経過が存在します。

そのような途中の過程や経過がスタートするきっかけになった最初の部分が「大元」です。

過去にさかのぼって調べていくとさまざま紆余曲折を経て現在に至ることがわかりますが「これ以上先にさかのぼれないすべてにおける始まり」を指して「大元」と表現します。

「元」ではなく「大元」と表現するのは複数の要素がからみ合っていたり始まりとなるものが複数存在することがあるからです。

様々な要素が絡み合って成立した経緯を持つような物事の場合、その中でも最も古く重要な位置を占めているものをさして「大元」と表現します。

「大元」の使い方

・『居酒屋の大元は江戸時代の一膳飯屋だと言われている』
・『今の落語の大元をたどっていくと三遊亭円朝に行き着く』
・『事故の大元は行き過ぎたコストダウンにあったと結論づけられた』
・『ロゴデザインの大元は江戸時代の家紋である』

「大本」とは?

「大本」とは?

「大本」とは「物事の根本部分」を意味する言葉です。

「大本」という言葉は「つながりのあるもののうち基盤となっているもっとも重要なところ」という意味で使われます。

基本的には連続性や関連性など深いつながりのある関係性における根本部分を指し、さらに現状においても基盤とのつながりが確認できるときに「大本」という表現が用いられます。

途中で大きな変化があったり関係性はあるがつながりそのものは薄かったりなど連続性がない場合は「大本」という表現はあまり使われません。

「大本」という言葉には「起源」という意味もあります。

事の起こりを意味するものでありそこから始まり広まっていったような状況における最初の地点を指すのが「大本」です。

そのものとしてのつながりではなく影響や刺激など間接的なつながりを重視した表現なので真似することで広がっていったり類似の系譜が広がったりする場合に「大本」という言葉を使います。

「大本」の使い方

・『ヒップホップの大本はディスコサウンドである』
・『病気の大本は不衛生な環境にある』
・『事件の大本がどこにあるのか捜査する』
・『仲直りするためには不仲になった大本の原因を取り除く必要がある』

「大元」と「大本」の違い

「大元」と「大本」の違い

「大元」「大本」に明確な区別はなく同じ意味の言葉として辞書にも掲載されています。

「大元」は歴史的にたどった末に行き着く最初という意味で使われることが多く、「大本」は連続性が失われておらず現在も損zないしている最初を指す意味で使われることが多いところに違いが見られます。

まとめ

まとめ

「大元」「大本」はほぼ同じ意味でそのまま置き換えても問題ありません。

微妙なニュアンスの違いで使い分けられていますがほとんど気にせず用いられることも多いので細かい意味の違いを意識するよりも共通する本来の意味をしっかり覚えておきましょう。