この記事では、「工程」と「手順」の違いを分かりやすく説明していきます。
「工程」とは?
仕事や作業を進めていくときの決まった並びでのやり方、またその進み具合です。
仕事や作業には、それをやるときの順番があります。
そのひとつひとつの段階や順番を意味します。
工場でビスケットを作るときのことで説明をします。
まず、小麦粉、砂糖、バターなどの材料をミキサーで混ぜます。
混ぜたものはビスケットのタネとなり、ベルトコンベアーで運ばれていきます。
タネは1枚1枚決まった形にされます。
そして、オーブンでじっくりと焼き、焼きあがったものは冷まされます。
十分に冷ました後には袋に入れ、箱に詰めます。
これをダンボール箱に入れて出荷します。
材料を混ぜる、形を作る、オーブンで焼くなどのひとつひとつのことや、この決めれた通りに作業を進めることが「工程」です。
「工程」の使い方
仕事や作業について使用する言葉です。
運動の場合も行う順番が決められているものがありますが、運動は仕事や作業ではないので、これには使用することはあまりありません。
「手順」とは?
「手順」には2つの意味があります。
ひとつは、物事をするときの決められた順番でのやり方です。
かぶをおいしく煮るときのことで説明をします。
まず、かぶを洗って皮をむき、これを蒸します。
鍋に調味料と先ほどのかぶを入れて煮ます。
最初にかぶを蒸しておくことで柔らかくなり、煮たときに味がしみやすくなります。
煮てから蒸してはダメで、先に蒸して、それから煮る必要があります。
蒸す、煮るという順番があるのです。
この順番が「手順」が意味するものです。
今度は動物を捕獲するときのことで説明をします。
まず、動物を隅の方に追いやります。
そして、逃げ場がなくなったところで網を投げて捕えます。
隅に追いやっていないのに網を投げてはいけません。
隅に追いやる、そして網を投げるという順番があるのです。
こういった、決められた順番を意味します。
もう一つの意味は、囲碁や将棋で着手の順序です。
「手順」の使い方
物事をやるときの決められた順番という意味で使用をします。
料理、掃除、手続きなど、さまざまな事柄に使用されます。
「工程」と「手順」の違い
何かをするときの順序という意味が似ていますが、使い方に違いがあります。
「工程」は仕事や作業について使用をし、「手順」はさまざまな物事について使用をします。
工場でビスケットを作ることは「工程」、自宅で作ることは「手順」というのが一般的です。
「工程」の例文
・『工程を見させてもらう』
・『すべての工程を確認する』
・『ひとつひとつの工程を丁寧に行う』
・『やらなければならない工程が増えた』
「手順」の例文
・『手順を守ってください』
・『手順通りに行う』
・『手順を間違える』
・『手順を確認する』
まとめ
2つの言葉は順序という意味が似ていますが、使い方に違いがあります。