「瞬間」という言葉をよく聞くようになりました。
特に若い世代を中心に使われているようで、「瞬間待ってください」などのように以前は使われなかった用法も普通になっています。
それでは、「瞬間」とはどういう意味でしょうか。
また、「瞬時」とはどう違うのでしょうか。
この記事では、「瞬時」と「瞬間」の違いを分かりやすく説明していきます。
「瞬時」とは?
「瞬時」とは、文字通り「瞬く間の時」という意味で、「まばたきするくらいの短い時間」を表す言葉です。
時間的には「短い」ことは強調されますが、何秒という具体的な数字では測れないのが普通です。
「瞬時に」というように副詞の形で用いられることがほとんどで、「瞬時が」というように主語の名詞として使われることはありません。
「時」という文字が使われていることから、「ポイントとしての時間」というニュアンスが含まれます。
英語では「immediate」が近いでしょう。
「瞬間」とは?
「瞬間」とは、文字通り「瞬く間」という意味で、「まばたきするくらいの短い時間」を表します。
「瞬間に」という副詞の形で使われることも多いですが、「瞬間」という名詞で使われることが多い言葉です。
「間」という文字が使われていることから、スタートからエンドまでの時間を暗に示すことが多く、その間が極めて短いことを主張する言葉であると言えます。
例えば「瞬間接着剤」は、ほぼ塗ってすぐに固まってしまいますが、塗った時刻と固まった時刻の間が「瞬間」ということになります。
英語では、「a momennt」あたりが近いでしょう。
「瞬時」と「瞬間」の違い
「瞬時」と「瞬間」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ともに「瞬く間」という短い時間を表したものであることは同じです。
しかし、違うのは時間の短さの捉え方にあります。
つまり、「瞬時」は時間を点で捉えているのに対して、「瞬間」は起点と終点がある線で捉えています。
これは「瞬時」の方が「瞬間」よりも短い時間であると言っているわけではなくて、あくまでも、一瞬を見るか、経過を見るかの違いでしかありません。
「瞬時」の例文
「瞬時」の例文は以下のようになります。
・『あの人は瞬時に人の顔を覚える特技を持っています』
・『映画が面白くて、瞬時も目を話すことができませんでした』
「瞬間」の例文
「瞬間」の例文は以下のようになります。
・『一目見た瞬間に恋に落ちてしまいました』
・『目をつぶった瞬間に過去のおもいでが溢れてきました』
まとめ
この記事では、「瞬時」と「瞬間」の違いを、解説してきました。
序文でご紹介した「瞬間待ってください」の「瞬間」は「ちょっと」とか「少し」を言い換えたもので、「ちょっと」よりも急いでいる感じを出そうとしているようです。
このように、感覚で言葉は変わって行きますので、一般的な辞書に載っていないからと言って間違いだと決めつけるのも、また間違いではないでしょうか。