この記事では、「制定」と「公布」の違いを分かりやすく説明していきます。
「制定」とは?
「制定」とは法律や規則のような社会的な決まりごとを新たに作成したり、変更することです。
新たに禁止する必要が出てきた物事を禁止したり、時代に即していない法律などを修正したり、現実に起きている問題を起こさせないようにするため、それを防ぐための制度を確定させることが「制定」になります。
このような法律や規則は各所に多大な影響を与えるので、おいそれと追加変更ができないため、それによってちゃんと悪事を防ぐことができるか、不備がないかなどに時間を掛けて議論されます。
その議論で撤回や修正を繰り返し、問題ないと判断されれば新しい形の法律や規則として確定し、それを守るように国民に知らせたり、それに違反すれば罰を受けるようになりますが、その確定した、確定させたことを示す言葉が「制定」です。
「公布」とは?
「公布」とは国からの命令や法律などを、一般国民に対して広く知らせることです。
命令や法律はやってもらわないと困ることをやらせたり、逆にやられると困ることをやらせないためのものですが、当然そういった命令や法律があることを知られなければ誰も従いません。
なのでそういった法律や命令が決まったら、従わなかった人が知らなかったでは済ませないために、世間一般に公表します。
その世間一般へと広めるために国が官報によって、国が正式に決めた法令なので従ってください、と国民全体に知らせることが「公布」です。
そのため命令や条例、法律や規則などが新しく作られたり、内容の変更があった場合には、必ず「公布」もされることになります。
「制定」と「公布」の違い
「制定」と「公布」の違いを、分かりやすく解説します。
「制定」は社会的な決まりごとを新しく作ったり古い決まりごとの内容を変更させることで、「公布」は国が定めた決まり事や命令を公的な決定として世間へと知らせることです。
法令の追加や変更がある場合「制定」と「公布」はワンセットになっていて、まず追加する内容や変更した後の内容を「制定」で完全に確定させて、その後にその内容で本決まりしたことを「公布」します。
あくまでも「制定」は法律などの内容を確定させることで、それを国民に周知させることとは無関係です。
また「公布」はまず法律の内容が「制定」されたことが前提でそれを公表するものであり、何らかの事情で「公布」がされなかったり遅れたとしても「制定」された事実は変わりません。
まとめ
国が「制定」するようなものは、広く知られていないとわざわざ「制定」した意味がないものばかりなので、確実に広く知らせるための「公布」がセットになります。
しかし常にセットだからといって意味が同じというわけではないので、決まりごとの内容を正式に決めることが「制定」、決まった内容を公的に広めることが「公布」としっかり区別しましょう。