何も書かれていない状態を指す言葉として「無記入」と「未記入」がありますが、どのような違いで使い分けられているのでしょうか。
今回は、「無記入」と「未記入」の違いについて解説します。
「無記入」とは?
「無記入」とは、「記入されていない状態」を意味する言葉です。
「記入」とは「指定された場所に指示された内容を書き込むこと」を意味します。
申込用紙などあらかじめ書き込む箇所が設けられている書類の支持に従って氏名や住所を書き入れる作業が「記入」ですが、「無記入」とは「書類に記入がなされておらず白紙の状態」を表す言葉です。
「無記入」は「記入が無いこと」であり必要事項が欠けていて書類が完全ではない状態を指します。
書類によっては必須でない任意項目が設けられていることもありますが、書いても書かなくてもどちらでもいい任意項目の記入がないことも「無記入」と表現します。
「無記入」の理由や原因はさまざまです。
うっかり書き忘れたときも書きたくないので記入を拒否した場合も回答が思い浮かばず空欄のままで提出するのも記入されていなければ全て「無記入」として扱われます。
「無記入」では不都合があるときは書類を差し戻して記入を求めることになりますが、それでも必須事項の記入を拒否する場合は書類そのものが無効になる可能性があります。
「無記入」の使い方
・『氏名欄が無記入のままでは受付できない』
・『意見がない場合は無記入でも構わない』
・『無記入のままにするよりはなんでもいいから記入した方がいい』
・『アンケートでふさわしい選択肢がなかったので無記入のまま提出した』
「未記入」とは?
「未記入」とは、「まだ記入されていない状態」を指す言葉です。
「未記入」の「未」は「いまだに」という意味を持つ漢字です。
「いまだに」とは「待っていて十分な時間が経っているのに今もってなお」ということを表します。
つまり「未記入」とは「記入を待っているのにいまだに記入されていない状態」を指しています。
このような状況において重要なのは「将来の可能性」です。
「未記入」が用いられるのは「将来的に記入しなければいけない書類があり記入する意志はあるがまだ手を付けていない状況」です。
「未記入」というのは「書こうとは思っているがまだ書いていない」もしくは「まだ書かれていないが将来的に書かなければいけない」状況に対しても使われます。
「未記入」の使い方
・『明日が締めきりなので未記入の書類に慌てて記入する』
・『未記入の項目がある書類は受け取ってもらえない』
・『正式決定するまでタイトルは未記入のままにしておく』
・『上履きには名前を書いたが通学カバンには未記入だ』
「無記入」と「未記入」の違い
「無記入」は記入されていないこと全般を意味しますが「未記入」は将来的に記入する可能性が高いがまだ記入されていないことを表します。
記入されないまま終わる可能性があるのを「無記入」、締め切りまでには記入される可能性が高いのを「未記入」という違いで区別されます。
まとめ
「無記入」と「未記入」はどちらも状況だけを見れば白紙の書類がある状態で同じように思えますが、記入される可能性に大きな違いがあります。
そこまで厳密に使い分けるケースは少なくほとんど同じ意味で使われていますがこの機会に正確な意味を知っておきましょう。