「そらへんじ」という言葉を聞いて驚いた事があります。
これはいうまでもなく「空返事」のことなのですが、通常は「からへんじ」と読みます。
しかし、辞書を調べると実はその両方の読み方が載っているのです。
それでは、「空返事」とはどういう意味でしょうか。
また、「生返事」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「生返事」と「空返事」の違いを分かりやすく説明していきます。
「生返事」とは?
「生返事」とは、文字通り「生の返事」のことです。
「生」とは、調理していない状態のものを表すので、「ちゃんと考えた上で発せられたものでない返事」と言っても良いでしょう。
この場合の「生」は英語の「live」のような活き活きしたものではなく、どちらかというと「生きていない」事が多いと言えます。
英語では「half-hearted answer」という言葉あがありますが、少しニュアンスが違います。
「空返事」とは?
「空返事」とは、文字通り「空の返事」です。
実際には、心がこもっていない、あるいは内容が無い返事のことを言います。
ニュアンスとしては「空虚」という熟語が持っているような感覚を持ちます。
この場合の「空」は元々「青い空」の「空」ではなく、「空手形」の「空」です。
つまり、青くて巨大なものではなく、どちらかと言うとグレイで何も無いと言えます。
英語では、「absent-mindedly answer」と言えないことも無いですが、少しニュアンスが違います。
「生返事」と「空返事」の違い
「生返事」と「空返事」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つは「気持ちが入っていない返事」のことを言うという部分では同じです。
多くの場合には同じシチェーションで使われて、置き換えも可能です。
微妙な違いは「生」と「空」の違いから来るものです。
すなわち、「生返事」には、生だけど一応内容はあるのに比べて、「空返事」の場合は、内容が「空」つまり無いということです。
従って、相手に対する失礼の度数でいえば「空返事」の方が大きいということになります。
「生返事」の例文
「生返事」の例文は以下のようになります。
・『私の問いかけに対して生返事しか返しませんでした』
・『生返事を繰り返していると相手を怒らせることになります』
「空返事」の例文
「空返事」の例文は以下のようになります。
・『2回以上繰り返すハイは明らかな空返事です』
・『何か他のことを考えているときに、不意に話しかけられて、空返事をしてしまいました』
まとめ
この記事では、「生返事」と「空返事」の違いを、解説してきました。
前述のように「空返事」を「そらへんじ」と読むのは間違いではありません。
ここで、思い出すのが「上の空」という言葉です。
これは上にある空を漫然と見ている感じを表すのですが、その感覚とこの「そら」がなんとなく似ている状況である「空返事」にも影響して「そら」と読むようになったという説があります。