共に相手のことを思うことに違いはない「老婆心」と「おせっかい」。
この記事では、「老婆心」と「おせっかい」の違いを分かりやすく説明していきます。
「老婆心」とは?
「老婆心」は、老婆の心と書きます。
つまり、年老いた女性があれこれと心配し気をつかうことを意味しています。
それは、相手から見れば度を超えたもので、必要以上に世話をやいてしまうものとなります。
そういった自分の気持ちをへりくだっていう際に「老婆心」という言葉が用いられます。
心という漢字が用いられているため、「老婆心」は、あくまでも、気持ちを指します。
表立って現れる行動ではなく、あくまでも、そのように思う自分自身の気持ち、心を意味する言葉です。
「老婆心」の使い方
「老婆心」の使い方は、「老婆心から」や「老婆心ながら」、「老婆心を起こす」、「老婆心の人」といったものとなります。
「おせっかい」とは?
「おせっかい」は、前に出しゃばり、不用な世話をやくことを意味します。
相手が不要だと思っていること、必要以上に世話をやく行為が「おせっかい」で、そのような「おせっかい」な人自身を「おせっかい」とも呼びます。
この「おせっかい」には、相手が不快に思ったり、うっとうしく思ったりといったことも多く、あまり、良い意味で用いられる言葉ではありません。
「おせっかい」の使い方
「おせっかい」の使い方は、「おせっかいをやく」や「おせっかいな人」、「おせっかい者」、「余計なおせっかい」といったものとなります。
「老婆心」と「おせっかい」の違い
どちらも、相手のことを思うといった気持ちに違いはありません。
そのうえで、「老婆心」は、世話をやきたいと思う気持ちを意味し、「おせっかい」は、実際に世話をやく行動を意味するといった違いがあります。
また、「老婆心」の場合は、その人自身が自分のその気持ちをへりくだって伝える際に用いられる言葉となります。
「老婆心」の例文
・『老婆心から言ってしまうことなので、気を悪くしないでください』
・『今からいうことは私の老婆心だから、あまり気にしないで聞いてください』
・『老婆心とわかったうえで、私からの忠告を聞いて頂けませんか』
・『老婆心から行った行動が、相手を傷つけてしまい大変後悔しています』
「おせっかい」の例文
・『余計なおせっかいとわかっていながらも、どうしても、息子の世話を焼いてしまいます』
・『子供の頃は、おせっかいなおばさんだと思っていましたが、この歳になると、とても有り難いことだったのだと思うことがあります』
・『子供には、おせっかいだと思われても、ついつい口を出してしまうのが母親です』
・『彼女のおせっかいは度を超えている』
まとめ
どちらも、相手のことを思ってこそのことですが、必要以上に世話をやかれた人にとっては、「老婆心」も「おせっかい」も、うっとうしく思うことがあるといった共通点がある言葉となります。