この記事では、「拝聴」と「聴講」の違いを分かりやすく説明していきます。
「拝聴」とは?
聞くことという意味です。
へりくだったいい方で、相手に対しての尊敬の念を表します。
聞くとは、声や音などを耳で感じることです。
「拝聴」という場合は、自然と音が耳に入ってくることではなく、意識して聞き、その内容を受け入れることを意味します。
何を聞くのかは、この言葉の意味に含まれていません。
聞くものには、音楽、講演、意見、ラジオなど、さまざまなものがあります。
たとえば、ラジオに自分が尊敬する人が出演して、何かを話していたとします。
このラジオは、たまたま入った店で流れていました。
最初は何となく耳に入っていたのですが、自分が知っている人が話しているとわかって、意識を向けて聞きました。
その内容を受け入れようとする聞き方です。
このような、目上の人や尊敬する人の話などを、意識して聞くことを、この言葉は意味しています。
「拝聴」の使い方
聞くことという意味で使用をします。
勝手に耳に入ってくることではなく、その内容を受け入れようとする場合をいいます。
目上の人や尊敬する人に対して使用をし、自分の子どもや部下など目下の人には使用をしません。
意見の場合は、それを言っている人が自分よりも年齢が下であっても、この言葉を使うことがあります。
相手を敬う意味が込められています。
「聴講」とは?
講義を聞くことです。
講義とは、大学の授業のことや、研究成果やある事柄の内容を説明することです。
大学生を対象としたものだけでなく、大学に通っていない人たちを集めて行われるものもあります。
講義の内容には、経済や心理学など大学で教える事柄もあれば、病気の予防方法や持続可能な社会の作り方など、さまざまなものがあります。
この言葉には、講義の内容の意味は含まれていません。
講義は複数人で行われることが一般的ですが、この言葉には何人で行う講義なのかという意味は含まれていません。
「聴講」の使い方
講義を聞くという意味で使用をします。
尊敬の念を込めて使うわけではありません。
講義の内容を問わず使うことができます。
「拝聴」と「聴講」の違い
聞くという意味を持つ点が似ています。
「拝聴」は聞くの謙譲語で、自分をへりくだって相手を敬う意味が含まれています。
何を聞くかは意味に含まれていません。
「聴講」は聞くものが講義の場合をいいます。
謙譲語ではありません。
「拝聴」の例文
・『拝聴させていただきました』
・『意見を拝聴しました』
・『講演会を拝聴して学びました』
・『説法を拝聴する』
「聴講」の例文
・『100人が聴講をした』
・『聴講者が会場に集まった』
・『熱心に聴講をする』
・『大きな会場で聴講をする』
まとめ
聞くという意味が似ている2つの言葉ですが、一方は相手を敬う意味が込められており、もう一方はそうでない点に違いがあります。
また、何を聞くのかにも違いがあります。