この記事では、「無骨」と「無風流」の違いを分かりやすく説明していきます。
似ている用語の差を、追いかけていきましょう。
「無骨」とは?
無骨(ぶこつ)とは、あか抜けていなくて作法を知らないこと。
身なりに気を遣わずに、荒くれている様子をあらわしています。
マナーやルールを軽んじるような、ぶしつけな人に用います。
「無骨」は「骨がない」と書きます。
無骨は古典の「骨無し(こちなし)」から生まれたものです。
「こちなし」は、風流ではない物や無作法な人をあらわす言葉です。
源氏物語にも遠慮のない人を「こちなし」と伝えています。
品位のない言動を見たり聞いたりして、興ざめするような状況が「無骨」です。
あまり良い意味合いはありませんが、商品につかうと「ワイルド・野性的」という良い意味になります。
臨機応変に使い分けていきましょう。
「無風流」とは?
無風流(ぶふうりゅう)とは、風流な文化がわからないこと。
格式たかい席や趣味に対して、とんと関心をしめさない様子をあらわします。
美意識がそれほど高くなく、マイペースに生きている人。
自分しか興味がない人につかいます。
「無風流」という言葉は「不風流」とも書きます。
どちらも「風流では無い」からきた言葉です。
もともと「風流」というのは、平安時代の貴族のたしなみのひとつ。
和歌を詠んだり、雅な着物を着たり、月を眺めたりするのが風流といわれていました。
「衣食住」が満たされているからこそ、できた高尚な趣味です。
そのため心に余裕がなく野暮ったい人、美しい物にまったく関心がない人が無風流となります。
「無骨」と「無風流」の違い
どちらも見た目が似ているので、紛らわしいです。
「無骨」と「無風流」の違いを、分かりやすく解説します。
・野性的な「無骨」
「無骨」と「無風流」はどちらも「無い」という漢字が含まれています。
そのため使い分けが、ややこしく感じられます。
「無骨」も「無風流」も風流がわからず、洗練されていない様子です。
作法がよく分かっていなくて、子どもっぽい態度を取ってしまうという意味もあります。
ただ「無骨」には、野性味あふれるというポジティブな意味もあります。
例えば「男らしさを兼ねそえた、無骨系アウター」や「無骨でタフなキャンプ用品」と用います。
華美なデザインではないけれども、シンプルでカッコいいのが無骨です。
そのためプラスとマイナスの意味を持っているのが無骨。
マイナスの意味で使われるのが無風流になります。
まとめ
「無骨」と「無風流」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「風流ではない」という意味があります。
「無風流」は高尚なものに全く関心をしめさない、野暮な人という意味があります。
また「無骨」には「野性味あふれる・ワイルド」という前向きなニュアンスも込められています。
よく似ている日本語ですが、それぞれの用語の雰囲気は異なっているので注意しましょう。