お礼やお詫びの気持ちを込めて用いることが多い「ご足労」と「お手数」。
この2つの言葉は、どのように使い分ければよいのか。
この記事では、「ご足労」と「お手数」の違いを分かりやすく説明していきます。
「ご足労」とは?
「ご足労」には、「足」という体の一部を指す漢字が用いられています。
そこに、労働や労力といった言葉に用いられる「労」が加わることで、意味は、足を使って労働する、足が疲れる行動、行為、といった意味となります。
そのため、「ご足労」という言葉には、足を使って労力してもらうことと意味し、わざわざ足を使って移動してもらったことに対し、目上の人に用いる言葉となります。
そのため、「ご足労」は非常に丁寧な言葉です。
言い換えれば、「お越しいただき」や「お呼び立て」、「遠路遥々」などと同じ言葉です。
「ご足労」の使い方
「ご足労」は、目上の人に対し用いる言葉です。
そのため、「ご足労いただきありがとうございます」や「ご足労おかけいたしますが」などといった形で用います。
「お手数」とは?
「お手数」には、「手」という体の一部を指す漢字が用いられています。
そこに、数字や数量といった言葉に用いられる「数」が加わることで、意味は、手の数を掛けること、つまり、手間のかかること、面倒なこと、といった意味になります。
そのため、「お手数」という言葉には、手間のかかることをやって頂いて、といった意味となり、目上の人に対し用いる言葉となります。
そのため、「お手数」は非常に丁寧な言葉です。
言い換えれば、「ご迷惑」や「ご面倒」、「お手間」などと同じ言葉です。
「お手数」の使い方
「お手数」は、目上の人に対し用いる言葉です。
そのため、「お手数をお掛け致しました」や「お手数をおかけしますが」などといった形で用います。
「ご足労」と「お手数」の違い
どちらも目上の人に対し、面倒を掛ける、ご迷惑を掛ける、手間を掛ける、といった意味として用いられる言葉です。
その中でも、「ご足労」は、実際に足を使って行動してもらうことを意味し、「お手数」は、手を使って行動してもらうこと、といった意味の違いがあります。
同じ、恐縮する気持ちでも、何に対し恐縮しているのか。
その点に違いがあります。
「ご足労」の例文
・『今日は、お足元が悪いなか、ご足労頂き誠にありがとうございます』
・『ご足労をおかけいたしまずが、こちらまでお越しください』
・『お客様にご足労頂くことなどできません、当社の担当者がそちらに伺わせていただきます』
・『申し訳ございませんが、こちらまでご足労願いませんでしょうか』
「お手数」の例文
・『お手数をお掛け致しますが、どうぞ、よろしくお願いいたします』
・『お手数ですが、こちらの方に署名捺印をお願い致します』
・『お手数かと思いますが、明日のイベントに参加して頂けたらと思います』
・『この度は当社のミスで、お手数をお掛けし申し訳ございませんでした』
まとめ
相手のどのような行動に対し恐縮しているのかといったことを踏まえ、「ご足労」と「お手数」を使い分けることになります。