「駆除」と「退治」の違いとは?分かりやすく解釈

「駆除」と「退治」の違い言葉・カタカナ語・言語

害虫などを排除するときに使われる表現として「駆除」「退治」があります。

普段の会話でも使う言葉ですが具体的な違いはどこにあるのでしょうか。

今回は、「駆除」「退治」の違いについて解説します。

「駆除」とは?

「駆除」とは?

「駆除」とは、「その場にいる害をなすものたちを全て片付けて排除すること」という意味の言葉です。

「駆除」というのは「駆逐し排除する」ことを表す言葉です。

「駆逐」には「追い払う」という意味があり「実力を見せつけてその場から追い払う」ことを表します。

「排除」「排して除外する」つまり「追い出して消す」という意味を持つ言葉です。

ふたつの言葉を合わせた「害をなすものを実力で追い払いその場から取り除く」というのが「駆除」の本来の意味になります。

一般的には「害虫や害獣を殺したり追い払ったりして存在しない状態にすること」「駆除」と表現します。

その場にいるもの全てを排除することを意味しているので複数を対象に使われることが多いですが複数だけに使われる言葉ではなく、一匹だけいる害をなす動物をその場から排除するときも「駆除」と表現します。

「駆除」の使い方

・『専門業者にシロアリ駆除を依頼する』
・『害虫を駆除するために殺虫剤を購入する』
・『生き残りが再び繁殖する可能性があるので一斉に駆除することにした』
・『細い隙間などにも殺虫剤を噴霧して駆除作業が完了した』

「退治」とは?

「退治」とは?

「退治」とは、「痛めつけたり命を奪うなどして無力化し害を防ぐこと」を意味する言葉です。

虫や獣あるいは悪人など存在により害を及ぼすものに対し「暴力的な手段を含む実力を行使してこれ以上害を及ぼさないようにすること」「退治」と表現します。

「退治」「退」には「逃げる」という意味がありますが必ずしもこの場から追い払うことを意味しているわけではなく、その場に引き続きとどまっていたとしても再び害をなさないのであれば「退治」と表現されます。

「退治」の使い方

・『桃太郎は家来とともに鬼ヶ島に渡り鬼を退治した』
・『倉庫に巣を作って住み着いているネズミを退治する』
・『ペットのノミ退治には獣医に薬を処方してもらうのが一番確実だ』
・『山で人を襲う熊を退治するために猟友会が派遣された』

「駆除」と「退治」の違い

「駆除」と「退治」の違い

「駆除」「退治」の違いは「害の取り除き方」です。

「駆除」というのはその場から追い払って害を取り除くことに重きをおく表現です。

殺虫剤で虫を殺すなど直接的な被害を与えることもありますが基本的には殺したり痛めつけたりすることを目的にせずその場からいなくなって元通りになることを目指すときに「駆除」という表現を使います。

「退治」は相手の力を奪い無力化することで害を取り除くことを指す言葉です。

戦意を奪うあるいは戦えなくなるよう痛めつけるなど程度に違いはありますが、場所の移動ではなく無力化によって危険をなくすことを目指すときに「退治」と表現します。

正常な状態に戻すことを重視しているのが「駆除」、以上の原因を取り除くことを重視しているのが「退治」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

「駆除」「退治」は同じような場面で使われることが多いですが本来の意味には違いが見られます。

混同しないようそれぞれ言葉が持つ意味合いを正しく理解しておきましょう。