この記事では、「愚直」【ぐちょく】と「素直」【すなお】の違いを分かりやすく説明していきます。
「愚直」【ぐちょく】とは?
うまくその状況に合わせて応対ができない愚かさがありますが、物事に取り組むとそれだけに集中してしまい、周囲が見えなくなるためただひたすらに与えられたことだけしかできない正直者に当てはまります。
正直で真面目すぎるため与えられたことは最期までまっとうしようとするあまり、「このように作ってください」といきなり作業変更してほしいと言われても対応できません。
悪い意味では使われない言葉ですが、正直者であるところがときに愚かな人物にも見えてしまうので、上司や顧客などに対して使うのは失礼にあたります。
そんな言葉の使い方は「与えられた仕事へ愚直に取り組む」「愚直な人は妥協しない」と使い、仕事にしっかり取り組み、素晴らしい人の態度や行動に対して使える言葉です。
「素直」【すなお】とは?
けがれがない心を「素直」と言い、性格も態度も良い人を指します。
人の意見をしっかり受け入れて、言われた通りに行動できる人に当てはまる言葉でもあります。
飾り気はいっさい見せず、ありのままの自分をさらけだして人と付き合える心が純粋さがある「素直な人」です。
正しい気持ちを持って人と付き合える優しさを持ち合わせ、人と穏やかに付き合えるところがどこに行っても快く受け入れられます。
人に対して使うときは「素直な心を持つ人」と使い、いかに正しい気持ちで相手と付き合えるかを表せる言葉となります。
反対に、「素直になれない人」と相手を拒絶してしまう残念さがある者の気持ちや態度を表せる言葉です。
「愚直」と「素直」の違い
「愚直」と「素直」の違いを、分かりやすく解説します。
真面目なため、自分に与えられたことをしっかりやるところは職場でも信用を得て認められますが、今のニーズに合うものに対応できず、どこか古い考えのため取り残されてしまう人のさまを表すのが「愚直」であり、素朴で健気に人と関われるのが「素直」という意味があります。
人を陥れようとする悪い心もなく、純粋な気持ちのままで過ごす者の心を表せるのが「素直」であり、「愚直」は気がきかない人に対して揶揄する意味でも使われている言葉です。
「愚直」の例文
・『愚直に取り組む姿勢は素晴らしいと評価されたが、臨機応変に対応できない私は部署を外された』
・『愚直な人は一途でいいと褒めるが、付き合うにはどこか物足りなさを感じてしまう』
真面目に取り組む姿は誰が見ても素敵だと感じ、素晴らしいと評価しますが、臨機応変には対応できないところが使えない人材とみなされてクビにされてしまいます。
一途であるところは恋愛する相手から見れば浮気しなさそうで安心だとは思いますが、どこか物足りなさを感じてしまう人は多く、付き合ってもうまくいかないのです。
「素直」の例文
・『友達と浮気した彼氏のことが信じられなくて素直になれない』
・『俺の妹は人の言うことを素直に受け入れられる素敵な人だ』
浮気しただけでも許せないのに、大事な友達を奪い取った彼氏の卑劣な行動に心を閉ざしてしまったその状態を表すときに使えます。
人を受け入れるところが素敵だと感じたとき、「素直な人だ」と褒める意味も込めて伝えられる言葉です。
まとめ
悪い意味で使われているものではない「愚直」ではありますが、場合によっては使えない人と思われてしまう場合もありますので、ときには周囲と楽しみ、前向きに交流をはかる必要があります。
一方の「素直」は心に壁を作らずに人の話に耳を傾けられますし、従順に従える気持ちがある人の内面を表せる言葉と覚えておくといいでしょう。