この記事では、「錯乱」と「錯綜」の違いを分かりやすく説明していきます。
「錯乱」とは?
「錯乱」とは人の感情や思考が混乱してめちゃくちゃになり、異常な精神状態になることです。
精神状態以外でも、様々なものが入り乱れて無秩序状態になっている事を「錯乱」と呼ぶ場合もありますが、「錯乱」という言葉の主な使い方としては心や頭など人の内面がめちゃくちゃになっている状態の方を指します。
強いショックを受けたなどの理由で取り乱している状態が一般的な「錯乱」状態です。
また「錯乱」は精神系の医学用語でもあり、医学用語としての「錯乱」は思考障害や意識障害なども関わってくる、より難しい言葉になっています。
一般的には人の感情や思考が落ち着きをなくして入り乱れすぎて、まともに物事を考えられない状態になっていることが「錯乱」です。
「錯綜」とは?
「錯綜」とは物事が複雑に入り組んでしまい、何がどれに関連しているのか不明瞭になってしまっている状態です。
情報や指揮権とような本来秩序だって統一できていたり、わかりやすく整理されているのが基本的な状態であるものが、何らかの理由で誰にも現状が把握しきれない状態になり、どうなっているか誰にも理解できない状態が「錯綜」です。
例として情報や指揮権を挙げましたが、そういった形のないものだけを指すわけではなく、機械のコードやケーブルがあちこちに入り乱れている状態など、物質的に入り組んでいる状態も「錯綜」と呼びます。
それが有形無形に関係なく、何であっても様々なものが入り混じっていて、何がどうなっているか判断がつかない状態が「錯綜」です。
「錯乱」と「錯綜」の違い
「錯乱」と「錯綜」の違いを、分かりやすく解説します。
「錯乱」は感情や思考といった精神面が混乱している状態であり、「錯綜」は様々な物事が入り乱れて混乱している状態です。
「錯乱」は精神面だけに使われる言葉ですが、「錯綜」は物理的な物にも情報のようなものにも使われますし、様々な感情が入り乱れて精神面で混乱している時にも使われます。
ただし精神面での混乱に関する表現として「錯綜」を使うのは間違いではありませんが、それほど機会は多くなく、同じ状態でも精神面なら「錯綜」ではなく「錯乱」の方が使われがちです。
「錯乱」はあくまで個人的なもので、その人の思考能力や感情の処理が上手くできずめちゃくちゃに混乱していること、「錯綜」は様々な物や情報などが入り混じり、個人だけでなく周囲も混乱状態に陥っている状況と言えます。
まとめ
「錯乱」と「錯綜」は一文字違いの二字熟語で、どちらもなんらかの混乱を起こしていることを指すのが、混同の原因です。
「錯乱」は個人的な精神面や思考についての混乱、「錯綜」は情報や物質などあらゆるものによる、個人では収まらない現場的な混乱と覚えておくと、それぞれの区別をつけやすくなるでしょう。