「策略」と「計略」の違いとは?分かりやすく解釈

「策略」と「計略」の違い言葉・カタカナ語・言語

頭脳戦で用いられる表現として「策略」「計略」がありますが、このふたつはどのような違いで区別されているのでしょうか。

今回は、「策略」「計略」の違いについて解説します。

「策略」とは?

「策略」とは?

「策略」とは、「知恵を使って相手をおとしいれる企みごと」を意味する言葉です。

「策略」というのは「他人に対して使われる武器としての考え」という意味があります。

自分がいい思いをしたり現状を改善したりといった目的が主ですが、成長させたり効率よく物事をしたりといった自分を高める方向ではなく「相手の足を引っ張り自分を有利にするための悪意ある考え」「策略」です。

「策略」という表現は「頭脳を使って相手に不利益をもたらす」ときに用いられます。

自分自身は表に出ることはなく人を使って罠を仕掛けたり他人をそそのかして思い通りに動かしたりなど「己の手を直接汚すことなく他人に被害を与えるような計画」を指して「策略」と表現します。

「策略」はいい意味で使われることが少ないネガティブな表現です。

頭脳を使って裏から手を回す行為は正々堂々とはいえないもので高く評価されることはありません。

損失が少なく効率的であったとしても「策略」のようなやり口を好まない人は多く、そのような手段で事を成し遂げたとしても周囲から指示されない可能性があります。

「策略」の使い方

・『策略にはまり大きな被害を出してしまった』
・『いろいろと策略を巡らせたおかげで優位な立場が手に入った』
・『彼が失脚したのは策略のせいだという噂が絶えない』
・『策略を疑いだせばきりがない』

「計略」とは?

「計略」とは?

「計略」とは、「計画的に物事を進めていくための考え」を意味する言葉です。

ある目的を達成するために手順をおって物事を進めていく必要がある場合、いきなり目的に向かって活動することはありません。

最終目標を見据えながらそれぞれの手順を確実にこなしていくために準備を整えたり手段を考えたりするのが一般的なやり方です。

「最終目的を達成するために計画的に考えておくこと」を指して「計略」と表現します。

「計略」には「計画的に相手に仕掛けること」というもうひとつの意味があります。

一般的には「相手に被害を与えるような計画を立てて実践すること」という意味で使われることが多く、相手を騙したりワナにはめるような頭脳的な攻撃を意味します。

行き当たりばったりの行動ではなく綿密に練られた計画を実行するのが「計略」であり「あらかじめ手段を用意し計画的に行われる作戦行動」を指して使われます。

「計略」の使い方

・『敵の計略に乗ることなく静観する』
・『軍議で軍師が計略を説明する』
・『この計略が成功すれば来年中には戦争に勝つことができる』
・『計略にこだわりすぎたせいで大きな被害がでてしまった』

「策略」と「計略」の違い

「策略」と「計略」の違い

「策略」「計略」の違いは「相手に与える被害」です。

「策略」は相手に被害を与える目的で行われる知謀を意味する言葉です。

ワナや誘惑など手段はさまざまですが相手に被害を与えることを第一の目的としています。

「計略」も頭を使った知謀を意味しますが必ずしも相手を陥れるような行為だけではなく味方を有利にするための兵站や訓練など相手に被害を与えることを目的としない活動も含みます。

まとめ

まとめ

「策略」「計略」は同じような意味で使われることが多いですが厳密な意味は異なります。

微妙なニュアンスの違いで使い分けられるように正しい意味の違いを理解しておきましょう。