近年では、国公立大学への志願者数が減少しています。
この背景には国公立大学に積極的に志願する意味がなくなって来ている事が挙げられます。
これは特に都市部においては私立大学がそれぞれの特徴やカラーを明確に押してくるのに比べて国公立大学にその傾向が少ないという事も要因でしょう。
それではここで出て来た「志願」とはどういう意味でしょうか。
また、「出願」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「志願」と「出願」の違いを分かりやすく説明していきます。
「志願」とは?
「志願」とは、文字通り「志して願う」ことです。
通常は団体、学校、会社などに入りたいと「自ら」希望することを言います。
対義語として挙げられるのが「推薦」であることから分かるように、「誰か他の人の意思ではなく自分の意思で」というのが背景にある言葉です。
したがって、自衛隊やPTA委員、マンションの管理組合の委員などのように一般的には多くの責任を伴う立場に自らの意思で入って行くことを指す事が多いとも言えます。
「出願」とは?
「出願」とは、文字通り「願いを出す」ことです。
通常は「願書」を出すことを示す言葉です。
一般的に出願するものとしては大学などの学校の入学試験、公共機関への認可、特許庁への特許の出願などがあります。
「願書」や「申請書」は対象によって規定されているので、その要件にあった情報の記入と料金の支払いが必要になります。
「志願」と「出願」の違い
「志願」と「出願」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、「何かを認めてもらえるようにお願いする」という意味では同じですが、根本的な目的が違います。
すなわち、「志願」の目的は会社、団体、学校などに入る事ですが、「出願」の目的は自分のお願いを聞いてもらう事です。
その意味では、「出願」のお願いが学校に入る事である場合は、結果的には同じことを目的としていることになります。
例えば、大学への入学を希望している場合にはその大学を「志望」していると言い、願書を出すことを「出願」と言います。
「志願」の例文
「志願」の例文は以下のようになります。
・『自衛隊に志願して入隊する人は確固たる信念がある人が多いと言えます』
・『大学の志願者数は景気の状況によって変わって来ます』
「出願」の例文
「出願」の例文は以下のようになります。
・『大学への出願に際しては多くの書類を提出する必要があります』
・『特許の出願に関しては様々な要件があるので、専門家である弁理士に依頼するのが普通です』
まとめ
この記事では、「志願」と「出願」の違いを、解説してきました。
序文で述べたように、都市部の国公立大学の志願者は減少していますが、地方においては、私立大学の総数の関係や入学金、授業料などの様々な要因によって、国公立大学の人気は高く、特に理系の学科への志願者数は多くなっています。
この辺りは、学生たちの将来への不安が顕著に現れていると考察する事ができます。