何かの見積もりを行う時には、多くの場合は目安となる概算の数字を出してから、その後にちゃんとして計算を行います。
その時には最初の数字には「概算」であるという注釈をつけます。
それではこの「概算」とはどういう意味でしょうか。
また、似たような言葉である「暫定」との違いはどこにあるのでしょうか。
この記事では、「暫定」と「概算」の違いを分かりやすく説明していきます。
「暫定」とは?
「暫定」とは「ざんてい」と読み、「確定したものではなく、仮のもの」という意味の言葉です。
これは「暫」という文字が「しばらく」という短い時間を表すため、「暫定」は「短い間の決め事」という意味を持つからです。
恒久で無いものに関しては何にでも使用する事ができるので、「暫定的な?」に名詞を入れれば、どんな名詞でもほぼ「決定前のもの」に変化させる事ができます。
英語で、同じような意味でビジネスにおいてよく使われるのは「tentative」です。
「概算」とは?
「概算」とは、「がいさん」と読み、「だいたいの計算結果」という意味の言葉です。
これは「概」が「おおむね」を示す文字であることから来たもので、「ちゃんとした計算ではなく、ラフな計算の結果」と言い換えることもできます。
通常は正式な計算結果を出すまでの間の仮の数字であり、例えばこれをベースに正式契約を行うことはできません。
ビジネス英語でこれと同じ意味で使われるのは「rough estimation」です。
「暫定」と「概算」の違い
「暫定」と「概算」の違いを、分かりやすく解説します。
この2つの言葉は、ともに「正式なものではなく、仮のもの」であるという意味では同じです。
しかし、対象となるものの範囲が違います。
すなわち、「暫定」というのは確定していないものに関しては何に対してでも使用できる範囲の広い言葉です。
例えば、計画、仕様、体制、数字など多くの対象が考えられます。
それに対して、「概算」は計算結果にしか使用できない言葉です。
その意味では、「概算」自体も「暫定の数字」という意味となり、「暫定」の一つのカテゴリーであるという事ができます。
「暫定」の例文
「暫定」の例文は以下のようになります。
・『軍部が樹立した暫定政府の権限は次の選挙までの間になります』
・『今日の昼休みは暫定的に12:30からということにしておきましょう』
「概算」の例文
「概算」の例文は以下のようになります。
・『このサービスの月額の概算見積もりは本日中にお出しします』
・『選挙における得票数の概算でみると当選は固いと言えます』
まとめ
この記事では、「暫定」と「概算」の違いを、解説してきました。
ここまで説明して来たように、この2つは決定ではありません。
決定前に使用する期限付きのものであり、正式ではないとも言えます。
しかし、計画段階においては詳細が決まっていないことも多く、正式なものを決定する事ができないというケースもたくさんあります。
そのような時にはこれらが役に立つことになります。