この記事では、「治療」と「応急処置」の違いを分かりやすく説明していきます。
「治療」とは?
病気やけがを治すことです。
この言葉は、医療行為として行われるものを指しています。
病気やけがの中には、放っておいても治るものがあります。
たとえば、すり傷です。
人間には自然治癒力がそなわっており、すり傷ができても自然と皮膚が元通りになります。
皮膚を縫ったり、薬を塗ったりしなくても治ってしまうのです。
けが治っていますが医療行為は行っていないので、自然に回復することは「治療」ではありません。
いぼは、皮膚の一部が盛り上がってできる、できもののことです。
痛みやかゆみがないため、悪性でなければ放置していても問題ありません。
しかし、顔や首などにできると見た目が気になります。
いぼは治すことができます。
治すためには、液体窒素を綿棒に浸したものをいぼに押し当てる冷凍凝固療法や、いぼに電流を流して焼き切る電気焼灼法などがあります。
こういった医療行為を「治療」といいます。
「治療」の使い方
医師や医師の指示を受けた看護師が行う、病気やけがを治すための行為を指して使用する言葉です。
何もせずに病気やけが治る場合には使用しません。
「応急処置」とは?
その場をしのぐために、とりあえず行う処置のことです。
本格的なものではなく、とりあえずで行うものを意味します。
この後に本格的なものが行われます。
出血をしたとします。
大量に出血をすると命に危険が及ぶので、出血をとめなければなりません。
そのために、傷口を包帯などで強く締めます。
大量に出血するほどなので、傷口が大きいことが珍しくありません。
そのため、病院で診てもらって、しっかりと手当をしてもらう必要があります。
包帯で強く締めるのは、とりあえず行っているもので、これだけではまだ安心できる状態ではありません。
しっかりした手当の前に行われる、このようなとりあえずの処置が「応急処置」です。
「応急処置」の使い方
その場をしのぐための、とりあえず行われる処置という意味で使用をします。
手術をするといった本格的なもののことではありません。
「治療」と「応急処置」の違い
どちらの言葉も、病気やけがに対して行われる行為を指していますが、同じ行為ではありません。
「応急処置」はとりあえず行われるもので、「治療」はとりあえずのものではありません。
「治療」の例文
・『治療に積極的な患者』
・『治療には費用がいくらかかるのだろう』
・『治療の説明を医師から受ける』
・『治療に専念する』
「応急処置」の例文
・『応急処置のやり方を習う』
・『応急処置の手順を確認する』
・『応急処置をしてもらった』
・『応急処置の後、病院に運ばれた』
まとめ
病気やけがに対して行われるものである点が似ている2つの言葉ですが、「応急処置」はその場をしのぐために行われるもので、「治療」は本格的な医療行為を意味しています。