「情勢」と「動向」の違いとは?分かりやすく解釈

「情勢」と「動向」の違い言葉・カタカナ語・言語

選挙予測や経済観測では「情勢」「動向」という表現が使われますが、この2つの言葉はどこに違いがあるのでしょうか。

今回は、「情勢」「動向」の違いについて解説します。

「情勢」とは?

「情勢」とは?

「情勢」とは、「物事の流れや移り変わり」を意味する言葉です。

ニュースなどで「情勢」という言葉が使われる場合は「現在の時点でわかっている動き」という意味で使われています。

一般的には「はっきりとしたデータで示すことが難しい形のないものの動き」を表す言葉として使われることが多く、「雰囲気」「雲行き」など「明確ではなくもやもやしているがそこにある流れや状況の変化」を指しています。

世論調査やインタビュー、ネット上に飛び交う情報などから導かれるものですが具体的な姿形のようなはっきりとわかるものはなく「皆が共通して感じているがうまく言葉に出来ない世の中の空気」のようなものを「情勢」と表現しています。

「情勢」の使い方

・『選挙区では現職有利の情勢だという方向が入った』
・『革命後は不穏な情勢が続いている』
・『国境に軍が派遣されるなど情勢の不安定さが増している』
・『現在の社会情勢を考慮し大会を中止する決定が下された』

「動向」とは?

「動向」とは?

「動向」とは、「物事の様子や動いていく方向」を表す言葉です。

「動向」個人や集団など主体となるものが動く様子だけでなく、物価や相場など結果として動きが見られるものに対しても用いられる表現です。

一般的には「目で見て観測できたりデータで確認できたりなど事実として動きが確認できるものの動きの様子や方向」を指す言葉として用いられています。

例えば、「アメリカの動向」という場合はアメリカという主体の具体的な動きを意味します。

国や集団の場合は物理的に動くというよりも判断や手段などを意味しますが、外部から見て客観的に動いて変化があることを確認できるので「動向」という表現を使います。

そのほかにも「物価動向」などのようにデータや数値の変化についても使われますが、この場合もあいまいな雰囲気で判断しているのではなく数値データとしてはっきりと動きが可視化されているので「動向」と表します。

「動向」の使い方

・『欧州諸国の動向に注目する』
・『株式市場は景気動向に大きな影響受ける』
・『FA宣言をした選手の動向に注目が集まる』
・『母校を卒業した生徒たちの動向が気になる』

「情勢」と「動向」の違い

「情勢」と「動向」の違い

「情勢」「動向」の違いは「具体性」です。

「情勢」は世の中の機運や風向きなどはっきりとは認識できないがたしかにそこにある漠然とした流れ動きを表します。

データや事実から推測は可能ですがはっきりと示すことは難しく、観測者の主観によって判断が強く影響されます。

「動向」は物理的なものも含む動きや動きの流れを意味します。

目で見てはっきりと分かる根拠があるものに対して用いられる表現です。

雰囲気を感じ取るのが「情勢」、動きを確認できるのが「動向」という違いがあります。

まとめ

まとめ

「情勢」「動向」は今よりも未来のことを考えるとときによく使われる表現です。

似たような意味なので混同されることも多いですが本来は異なるいを持つ別の言葉です。

意味合いに注意して正しく使いましょう。