他人に対して物事や行為を勧める時に使われる言葉には「推奨」や「勧奨」があり、意味も似ていることから誤用されることが多いのが特徴です。
この記事では、「推奨」と「勧奨」の違いを分かりやすく説明していきます。
「推奨」とは?
「推奨」とは相手にとって利益があることを勧める行為であり、これは対象の商品や行為の良い点をしっかりと相手に示すことが必要になります。
相手に商品や行為を進める際には主観的な判断よりも客観的なデータや情報を示す方がこの場合は伝えやすいことから、「推奨」は個人間だけではなくメーカーやお店などがお勧めをする時にも使います。
例えば「メーカー推奨品」というものは自社の商品が特定のターゲット層に対して利益のあるメリットが存在することを示した上で宣伝する形式であり、これは主観的なイメージだけではなく客観的なデータや情報によって信頼性が高まるのが特徴です。
相手のためになることや利益になることを第一に考えるので、商売の場面でも「推奨」はよく使われます。
「勧奨」とは?
「勧奨」とは人に対して特定の行為を勧めるものであり、これは対象となる人を褒めることや励ましながら勧めるという点が特徴です。
熱意や意図を持って勧めるという意味があり、これはポジティブな場合で使われることもありますがネガティブな意味を含む時もあり使う時には注意が必要です。
「勧奨」は勧める相手のメリットがあるだけではなく、勧めた側にも時にメリットが発生することもあります。
例えば「退職勧奨」は相手に対して有利な退職を勧める時に使う言葉ですが、この場合の退職は会社に取っても利益がある仕組みになるケースもあります。
「推奨」と「勧奨」の違い
「推奨」と「勧奨」はどちらも人に対してお勧めをする際に使う言葉です。
「推奨」は相手の利益になるという点をアピールしながらお勧めをする場合に使い、これは商品だけではなく行為に対しても使うことが可能です。
「勧奨」は相手を励ましながら利益になる行為を勧める時に使う言葉であり、商品を勧める時にはほとんど使いません。
「勧奨」は相手だけではなく自分の利益にもなる行為を勧める時に使う言葉であり、使う場面は限られています。
「推奨」の例文
・『メーカー推奨品に変えてみたところ、肌荒れなどの副作用が全く出なくてとても良い品質だと思いました』
・『プロアスリート推奨のシューズを使っていますが、やはり段違いに走りやすくて次回も購入したいですね』
「勧奨」の例文
・『退職勧奨が出たが、彼は頑として頷くことはなかった』
・『納税を勧奨されたこともあり、重い腰を上げて手続きを開始した』
まとめ
人にお勧めをする時に使う言葉でも「推奨」と「勧奨」は意味が異なります。
「推奨」は行為や商品のメリットをアピールしながら勧める意味があり、「勧奨」は相手を励ましながら勧める意味があります。
「勧奨」は勧める側にも利益やメリットが存在するのが異なる点であり、純粋に相手のことを思って勧める時には「推奨」を使います。
