「迅速」と「拙速」の違いとは?分かりやすく解釈

「迅速」と「拙速」の違い言葉・カタカナ語・言語

早さを表す言葉として「迅速」「拙速」があります。

この二つの言葉は具体的にどのように意味が違うのでしょうか。

今回は、「迅速」「拙速」の違いについて解説します。

「迅速」とは?

「迅速」とは?

「迅速」とは、「物事の進み具合がとても速いこと」を意味する言葉です。

「物事が滞りなく進んでいくさま」を表す言葉として「迅速」が用いられます。

一般的には物理的なスピードの早さではなく段取りや手際などが優れていて物事がスムーズにすすむ様子を表す言葉で、ゴールに向かって無駄な時間をかけることなくテキパキと進んでいく効率の良さを意味します。

足が速いなど肉体的な速さという意味も含んでいますが「物事を成し遂げるための速さ」という意味合いで使われることが多く、対応や反応が速位だけでなく質の高い優れた対応という意味合いも含んでいます。

「迅速」の使い方

・『事件発生後、迅速に捜査が行われた』
・『一命を取り留めたのは現場に居合わせた人達の迅速な対応のおかげだ』
・『ホテルのフロントは要望に対し迅速に対応してくれたので気持ちよく宿泊できた』
・『クレーム処理で一番大切なのはお客様をおまたせせず迅速に対応することだ』

「拙速」とは?

「拙速」とは?

「拙速」とは、「品質はいまいちでも素早く行動すること」を意味する言葉です。

「拙速」「拙」は一字で「つたない」と読み「出来栄えが悪い」「技術が劣っている」など品質が良くないことを意味します。

「拙速」とは「つたないが速い」という意味の言葉で「出来上がりは悪いが行動は速いこと」を表します。

物事で品質と速さのどちらが重要であるか一概には言えず時と場合によります。

時間がかかっても優れた品質が求められることもあれば少々出来上がりが悪くてもとにかく速いほうが喜ばれることもありどちらかを一方的に優先するのは早計です。

時間は有限であり長く時間がかかればそれだけ貴重な時間という資源を浪費していることになります。

「拙速」とは貴重な時間を再優先にしている考えで「品質を後回しにしてでも仕事ぶりが早い」ことを評価している表現です。

「拙速」の反対語として「出来栄えはいいが遅い」という意味を表す「巧遅」という言葉があります。

この二つの言葉はことわざとして「拙速は巧遅に勝る」とも「巧遅は拙速に勝る」とも使われます。

「拙速」の評価はシチュエーションによって大きく変わるので使うときは注意が必要です。

「拙速」の使い方

・『拙速ではあるが遅れるよりはよほどマシだ』
・『行動が早いのはいいが拙速ばかりでは困る』
・『慎重になりすぎて失敗するくらいなら拙速を恐れず行動するべきだ』
・『拙速に事を運んだところで後で後悔するだけだろう』

「迅速」と「拙速」の違い

「迅速」と「拙速」の違い

「迅速」「拙速」の違いは「品質」です「迅速」は無駄がなく効率的に動いている様子を表す言葉で素早く品質も優れている場合に使われる表現です。

「拙速」は素早いが品質や成果はあまり期待できないことを表す言葉です。

速さと引き換えに品質の低さがしょ汁トレードオフの状態を指しています。

速くて品質も優れているのが「迅速」、速いけれど品質はそれなりなのが「拙速」という違いで区別されます。

まとめ

まとめ

同じ速さを表す言葉でも「迅速」「拙速」では意味が全く異なります。

それぞれの言葉の意味を正しく理解して混同せずきちんと使い分けましょう。