嫌なものや自分に取って受け入れられない行為や性格に対する感情を表す言葉としては「唾棄」や「軽蔑」があります。
この記事では、「唾棄」と「軽蔑」の違いを分かりやすく説明していきます。
「唾棄」とは?
「唾棄」は自分に取って受け入れがたい行為や性格、他人の存在に対して唾を吐きたくなるほどに嫌う感情を表す言葉です。
唾を棄てるぐらいの嫌いな感情であり、唾を吐き出して忌み嫌うという強い感情の意味があります。
他人に対して唾を吐く行為は非常に嫌われるものですが、これをしても構わないぐらいの嫌悪感を相手に抱いているという例えとして「唾棄」は使われます。
感情としては非常にネガティブな意味を持つことから、嫌悪や憎悪という感情を含む時にも使われます。
類義語としては「反吐が出る」「吐き気を催す」などがあり、どの言葉でも精神的な嫌悪感と同時に肉体的な嫌悪感も一緒に出るのが共通しています。
「軽蔑」とは?
「軽蔑」とは他人や行為に対してそれが劣っていると決めつけて、それを見下したり蔑ろにする感情を表す言葉です。
客観的に価値がないものだと判断する場合もあれば、主観的に卑しいものだと判断する場合もあり「軽蔑」は上からの目線で相手を侮辱するものとなっています。
「軽蔑」は軽く蔑ろにするという言葉から比較的広い意味で使われますが、意味としては相手を劣っていると見なして馬鹿にする言葉なので使う際には気を付ける必要があります。
「軽蔑」の類義語としては強く見下すという意味の「侮蔑」や、恥をかかせて相手を辱める意図がある「侮辱」などがあります。
「軽蔑」の反対語としては「尊敬」があり、こちらは相手のことを素晴らしいと認める感情の意味として使われます。
「唾棄」と「軽蔑」の違い
「唾棄」や「軽蔑」は共に相手を見下して劣っているという感情を表す言葉ですが、「唾棄」は特に強い「軽蔑」を表す時に使います。
最初は「軽蔑」レベルの感情だったものが段々と憎しみを増してくると「唾棄」するものになります。
「唾棄」の例文
・『その人体実験は唾棄すべき邪悪なものであり、彼はそれを新聞社へと密告した』
・『彼が恋人に行った行動は唾棄すべきものであり、人として最低だと思います』
「軽蔑」の例文
・『幼いころに軽蔑していた知り合いと同窓会で再開したが、彼は非常に明るい人になっていて戸惑った』
・『軽い軽蔑を表していたのだが、その男性はお構いなしに通販商品を勧めてきて参ってしまった』
まとめ
人間は誰しも生きていれば嫌な感情を持つことは多いのですが、特に対象を見下したり劣っていると思う時に「唾棄」や「軽蔑」は使われます。
軽い感情の時は「軽蔑」が使われることが多く、その感情が強くなると嫌悪感が高い「唾棄」が使われます。
「唾棄」は例えとして使われる言葉であり実際に唾を飛ばして相手を罵倒する人はそこまで多くありません。
どちらの言葉も心情を表す言葉であり、心の中に秘めておく人もいれば怒りが噴出して行動に出てしまう人もいます。