この記事では、「鍛錬」と「練習」の違いを分かりやすく説明していきます。
「鍛錬」とは?
「鍛練」には2つの意味があります。
ひとつは、高温で熱した金属を打ったり、水で冷やしたりを繰り返して、高度や密度を高めることです。
こうすることで、しっかりしたものになります。
もう一つは、いい加減なことを許さないさまで訓練や修養を繰り返し行い、技芸や心身を強くしっかりしたものにすることです。
いい加減に訓練や修養をすることは、この言葉が指しているものではありません。
また、この行為には技芸や心身を強くしっかりしたものにするという目的があります。
空手の技のことで説明をします。
オリンピックに出場するほどの技を身につけるためには、少しの甘えも許さずに訓練を繰り返し行うことが大切です。
空手の動きひとつひとつを大切にしながら行い、毎日毎日、少しも気を緩めずに励みます。
そうすることで技が磨かれていきます。
厳しく訓練を積み重ねており、このことを「鍛練」といいます。
「鍛錬」の使い方
金属を鍛える意味で日常的に使うことは少なく、技芸や心身をしっかりとしたものにするために、繰り返し訓練や修養をするという意味で使われています。
一度しかやらないことや、態度がいい加減なことには使用しません。
「練習」とは?
学問や技術などが身につくように繰り返し行うことです。
縄跳びのことで説明をします。
はやぶさをできるようになりたいと思って、縄跳びを繰り返し行っています。
一度ダメだったからとあきらめず、何度でも行います。
何度かやっているとコツをつかめてきて、できるようになってきます。
このときの何度もやっていることが「練習」が意味するものです。
参考書には、これまで学習した内容を振り返る目的で問題が設けられていることがあります。
これを「練習問題」といいます。
この問題を繰り返し解くことで学問が身につきやすくなることが期待できます。
「練習」の使い方
学問や技術などが身につくように繰り返し行うという意味で使用をします。
習い事や何か身につけたい事柄に対して使うことが多いです。
「鍛錬」と「練習」の違い
「鍛練」は鍛えることです。
強くしっかりしたものにするために、厳しく訓練などを何度も行うことを意味します。
「練習」は繰り返し行うことです。
厳しくという意味は含まれていません。
また、強くしっかりしたものにするためではなく、ある程度身につけばよいという場合も意味します。
「鍛錬」の例文
・『鍛練を怠らない』
・『鍛練の結果だ』
・『まだまだ鍛錬が必要』
・『鍛練に励む』
「練習」の例文
・『練習の成果を発揮する』
・『毎日練習をしている』
・『練習が嫌になってきた』
・『今日は練習は休み』
まとめ
繰り返し行うという意味が似ていますが、一方はしっかりしたものにするために厳しい態度で繰り返し行うこと、もう一方は学問や技術などを身につけるために繰り返し行うことで、厳しくという意味は含まれていません。