この記事では、「疲労」と「疲弊」の違いを分かりやすく説明していきます。
疲れをあらわす言葉をおさえていきましょう。
「疲労」とは?
疲労(ひろう)は仕事や家事をしすぎてしまい、体が疲れてしまうこと。
長時間立ち仕事や座り仕事をして、足や腰がパンパンに重たくなっている状態です。
「そろそろ限界だから、休んであげて」と体が伝えてくれているSOSになります。
疲労という熟語には「痛む・くたびれる」という訳があります。
そして「労」は「骨を折って、はたらく」という意味があります。
そのため一生懸命はたらいて、体がくたびれることが「疲労」になります。
長い時間、体や頭をつかって元気がなくなった様子をあらわしています。
「疲弊」とは?
疲弊(ひへい)とは、心身がすり減ってしまい立ち上がる気力がないこと。
またはお金が足りなくて、経済的に苦しくなる状態です。
心やお金の貯金が底をついてしまい、ひもじい思いをするのが疲弊になります。
「疲弊」の「疲」には「病気になる・財力がなくなる」という訳があります。
そして「弊」には「体や物がボロボロになる」という意味があります。
金銭的な余力がなくなって、裸一貫で生きているようなありさまが「疲弊」です。
そのため体力的な疲れよりも、精神的なつらさをあらわすフレーズになります。
「疲労」と「疲弊」の違い
それぞれ「疲れ」をあらわす言葉です。
「疲労」と「疲弊」の違いを、分かりやすく解説します。
・体の疲れは「疲労」心のしこりは「疲弊」
いずれもクタクタになること。
けれども、その雰囲気が少しずつ異なっています。
「疲労」は長時間歩いたり、デスクワークをおこなったりして、頭や体が限界を感じること。
「早く帰って、温かいお風呂にはいりたい」と思うような心情です。
一方で「疲弊」には、切り詰めた生活をしていて心に余裕がない様子をあらわします。
心を悩ます色々な問題が頭をよぎって、精神的に追い詰められているような状態に「疲弊」は使われます。
そのため肉体的な疲れは「疲労」。
たっぷり寝れば、いずれは回復するものを指しています。
そして精神的な疲れは「疲弊」。
ひと晩寝たくらいでは、解決しない疲れをあらわします。
ちなみに疲れをあらわす四字熟語に「疲労困憊(ひろうこんぱい)」があります。
疲労困憊は疲労と疲弊の両方をかけ合わせたような用語で、肉体的な疲れと精神的な疲れを両方あわせ持っています。
生きていると疲れを感じるシーンは色々あるもの。
その場にあわせた使い方を、マスターしていきましょう。
まとめ
「疲労」と「疲弊」の違いを分かりやすくお伝えしました。
いずれも「疲れ」をあらわすフレーズです。
疲労には長時間、体を動かした肉体的な疲れを指しています。
そして「疲弊」は、お金が底をついて資金繰りに困ってしまうこと。
または色々な問題に追われて、精神的にくたびれてしまう状態を伝えています。
その場に合わせた言い回しを選んでいきましょう。