「自己効力感」と「自己肯定感」はどちらも自分への信頼に関する言葉ですが、意味が異なるため区別して認識することが必要です。
この記事では、「自己効力感」と「自己肯定感」の違いを分かりやすく説明していきます。
「自己効力感」とは?
「自己効力感」には「自分が特定の目的を達成できると確信している感覚」という意味があり、英語では“self-efficacy”と呼ばれています。
心理学者のアルバート・バンデューラ氏によって提唱され、「自己効力感」が人の行動に大きな影響を与える要因となりうることから現在ではビジネスや産業、教育など様々な分野で活用されています。
「自己効力感」の使い方
「自己効力感」の使い方としては、「自己効力感が高い」や「自己効力感が低い」、「自己効力感を高める」といった例があります。
・『自己効力感が低い人は目的を遂行する確率が低くなる』
・『自己効力感を高めるには、何かを成し遂げた経験が必要だ』
「自己肯定感」とは?
「自己肯定感」は文字通り「自己を肯定する感覚」を示し、「ありのままの自分を認め、自分の存在や気持ちをそのまま受け入れること」や「ありのままの自分に満足できている感覚」という意味があります。
英語では“self-esteem”と呼ばれており、「自己効力感」と同じく人の行動に少なからず影響を及ぼすことから教育やメンタルケアなどの分野で重視されています。
「自己肯定感」の使い方
「自己肯定感」の使い方には、「自己肯定感が高い」や「自己肯定感が低い」、「自己肯定感を高める」といった用法があります。
・『自己肯定感が高い人は主体性があり、積極的な人が多いといわれる』
・『自己肯定感が低いと優柔不断になったり他人に依存しやすくなったりする』
「自己効力感」と「自己肯定感」の違い
「自己効力感」と「自己肯定感」は双方とも「自分に対するポジティブな信頼感」を表す感覚のことですが、詳細な意味合いやそれぞれの高め方に違いがあります。
「自己効力感」は「自分の能力や行動に対する信頼」を意味し、物事に取り組んだり困難な状況に陥ったりした際に「自分はできる」と確信できる感覚のことを指します。
「自己効力感」の高め方としては、「目標の達成体験」や「代理的な体験」、「説得的な暗示」、「情動的な高揚」といったポイントがあります。
一方、「自己肯定感」は「自分そのものに対する肯定的な感覚や信頼感」を意味し、自分の存在や気持ちなどについて他者と比較せずありのまま受け入れ、「成功しても失敗しても自分には価値がある」と無条件で思える感覚のことを指します。
「自己肯定感」の高め方としては、「現状の認識」や「環境整備」、「言葉の変換」、「自分に対する尊重」といった方法があります。
まとめ
「自己効力感」と「自己肯定感」は自分に対する前向きな感覚のことを指しますが、それぞれが持つ意味合いや高め方に違いがあることが分かります。
ぜひ参考にして両者の違いを理解し、仕事や育児、自分のメンタルケアなどに役立ててください。