「自尊心」と「自制心」の違いとは?分かりやすく解釈

「自尊心」と「自制心」の違い言葉・カタカナ語・言語

この記事では、「自尊心」「自制心」の違いを分かりやすく説明していきます。

「自尊心」とは?

「自尊心」とは?

「自尊心」とは、自分は価値のある人間だ、自分は優れているという感情や価値観、もしくはそういった感情や観念を持つ心のことです。

文字通り自分を尊ぶ心のことであり、自分に対する自信や自己肯定感が「自尊心」に繋がります。

自分に対して自分でそう思う事が「自尊心」のポイントなので、自分が優れているという「自尊心」を持った人間が、客観的に見て本当に優れているかどうかは、「自尊心」とは無関係です。

ただし他人からの評価が高い、あるいは低いことが、それを聞いた本人に心理的な影響を与え、「自尊心」を左右することは珍しくありません。

「自尊心」は本人の精神状態を安定させることに役立ち、「自尊心」の低さは精神疾患にも繋がりかねませんが、逆に「自尊心」が高すぎても、他人を見下したり向上心を損なうなどの問題があります。

「自制心」とは?

「自制心」とは?

「自制心」とは自分の感情や欲望をコントロールして、衝動的な行動に出ないようにする精神力や気持ちのことです。

何らかの物事に対して、感情の動きからあれが欲しい、こうしたいという欲求が湧き出ることは日常的にあります。

その欲求に従うのではなく、道徳や道理に基いた判断から、そうしてはいけないと自分を引き止め、制御する心の働きが「自制心」です。

欲望や感情に対する我慢強さと言い換えることもできるでしょう。

また自制するということは感情の発露を食い止めるということなので、感情を抑えることにもなります。

「自制心」がないと後悔が増えたり、他者との揉め事が多くなりますが、高すぎても感情を抑え過ぎた結果自分をコントロールできなくなる恐れもあるので問題です。

「自尊心」と「自制心」の違い

「自尊心」と「自制心」の違い

「自尊心」「自制心」の違いを、分かりやすく解説します。

「自尊心」は自分を肯定し優れている、もしくは価値があるものだと認める心であり、「自制心」は自分の感情による衝動的な欲求を抑えてコントロールする心です。

「自尊心」は強さ次第で「自制心」を鈍らせることもありますが、「自制心」は強くても低くても、「自尊心」に影響を与えることはありません。

また「自尊心」は悪く言えば自分を褒め称えて増長させる心の動きになりますが、「自制心」は逆に自分を抑え込み心や感情を萎縮させる心の動きという、心の動きとしては反対の作用を持ちます。

また「自尊心」は自分以外にも認められたいという欲求に繋がることがありますが、「自制心」は抑えつけられた欲求が他の欲求になることはあっても、「自制心」自体が欲求につながることはありません。

まとめ

まとめ

「自尊心」「自制心」は一文字違いで字面が似ていると思う人もいますが、内容は全くの別物どころか正反対と言える言葉です。

どちらも強すぎ弱すぎは問題のもとになりますが、特に「自尊心」は、強すぎると「自制心」を弱くしてしまうことには注意が必要になります。